読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

考える手掛かりを与えてくれる本ー『やがて哀しき外国語』

『やがて哀しき外国語』(村上春樹・講談社文庫・1997年)は、発売された当初、ウンウンと大きく頷きながら読んだはずなのに、内容はすっかり忘れていた。そんな自分にガッカリしたけれど、改めて読んでも(というのもおこがましいが)、考え方の芯にあるものに…

心にズシンとくる映画ー『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』

『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』は、中心にあるテーマ故に、心にズシンとくる映画だ。監督へのインタビューを読むと、ホロコーストの映画ではないということだが、かなり重要なポイントとなっている。「受け継ぐ者たちへ」というタイトルに、それが表れてい…

「英語で読む村上春樹」というラジオ番組は面白い

「英語で読む村上春樹」という番組(NHK第2・土曜日・再放送12時~)があって、時間が合えば聞く事がある。 英訳に続いて日本語の朗読があって、訳文ではなぜその単語が選ばれたのかが解説される。といっても、訳者本人ではないので推測もしくは考察だ。言葉の…

ジグソーパズルのような面白さー『未亡人の一年』

『未亡人の一年』[上]・[下](ジョン・アーヴィング著・都甲幸治・中川千帆訳・新潮社・2000年)は、とても読後感の良い本だ。『村上ラヂオ』に、この本の一つのテーマが寂寥感とあったので、その意味するところに興味が湧いて借りてきた。上下巻の2冊を…

何事も「ちょうどいい」精神がちょうどいいー『村上ラヂオ2』

"僕はもうなかなかの歳だけど、自分のことを「おじさん」とは決して呼ばない。"で始まる「ちょうどいい」(『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』村上春樹・マガジンハウス・2011年・P・110)もいい。 "「私はもうおじさんだから」と口にした時点…

おまけのような「今週の村上」が可笑しいー『村上ラヂオ2』

『おおきなかぶ 、むずかしいアボガド 村上ラヂオ2』村上春樹 文・大橋歩 絵・マガジンハウス・2011年)は、美味しいお豆腐のような本だ。あっさりのつもりで口に入れると、その味わい深さに驚く。 分厚く、細かな字がびっしりの本に疲れた後で、このような文…

『赤い酋長の身代金』は面白いーO・ヘンリー傑作選より

ラジオで、オー・ヘンリーの『魔女のパン』を聞いたのを機に、改めて短篇集(『O・ヘンリー傑作選Ⅰ 賢者の贈りもの』O・ヘンリー著・小川高義訳・新潮文庫・H・26年)を読んでみた。『最後の一葉』や『賢者の贈り物』が有名すぎて、ああアレかと知った気になっ…

独りよがりの善意は時にはとんでもない結果にー『魔女のパン』

ラジオで、オー・ヘンリーの『魔女のパン』を聞いていたが、これは、他の話に比べてずっと身につまされる。 ざっとあらすじを紹介すると、多少の蓄えもある、パン屋を経営する中年の独身女性ミス・マーサが、画家と思しきドイツ訛りのある貧しげな中年男性に…

『どんぐりとやまねこ』で好きな場面

"おかしなはがきが、ある土曜日の夕方、一郎のうちにきました。 かねた一郎さま 九月十九日あなたは、ごぎげんよろしほで、けっこです。あした、めんどなさいばんしますから、おいでんなさい。とびどぐもたないでください。やまねこ 拝"(宮沢賢治・『どんぐ…

カラヴァッジョ好きはぜひこの一冊をー『カラヴァッジョへの旅』

私がカラヴァッジョを意識するようになったのは、2001年に東京都庭園美術館で開かれた展覧会からだ。それまで、若桑みどりさん好きの友人を通してカラヴァッジョという名を聞いてはいたが、どんな絵だろうと思うくらいで、積極的な関心はなかった。それが、…

団子の串刺し描法って?

"団子の串刺し描法"?ユニークな表現に、セザンヌの〈聖アントワーヌの誘惑〉を見返しながら、うまいことを言うと可笑しくなる。確かに、そこに登場する女性たちは、お団子をくっつけたようにも、コルネと呼ばれるパンのようにも見える。 また、セザンヌの〈…

節約精神の行きつく先は?ーこんなお土産いらないかな

『ジーノの家ーイタリア10景』(内田洋子著・文春文庫)を読んで以来、この方が描く人物像に引き込まれ続けている。図書館でふと目についた『皿の中にイタリア』(講談社・2014年)も、期待を裏切らない本であった。 特に、「されど、水」のドイツ人一家には笑っ…

考えるヒントがぎっしり詰まっている本ー『愚か者、中国をゆく』

旅の本は好きだ。旅のコーナーにあった『愚か者、中国をゆく』(星野博美著・光文社新書・2008年)を、手に取ってパラパラめくっていると、次の箇所に目が留まった。 "人と荷物でぎっしり埋まった通路を通りぬけ、ようようトイレから戻ると、著者たち二人の座…

自分たちの暮らす街について考えさせられる本ー『ボローニャ紀行』

『ボローニャ紀行』(井上ひさし著・文藝春秋・2008年)を、単なる旅行記のつもりで読み始めたらそれ以上の面白さだ。イタリア全般についての考察の深さに、こちらもずんずん入り込んでゆく。 先月下旬、ヤマザキマリさんの講演を聞きに行った際、 "イタリアで…

私のあまのじゃく魂を呼び起こしてくれる本ー『戸越銀座でつかまえて』

『戸越銀座でつかまえて』(星野博美著・朝日出版社・2014年)は面白い。とりわけ3章の「あまのじゃくの道」は、好きだ。「行列のできる国」、「スシ食いねえ」、「健康センターの小宇宙」、「クリスマスの呪縛」と、書かれた当時(2008、9年)の日本の世相を上…

お楽しみで読む本は自分の感性に合ったものだけに

私は本好きで、比較的よく読む方かなとも思っているが、まだ縁のない作家もどっさりいる。むしろ、好んで読んでいる作家の方が圧倒的に少ない。たとえ流行作家と呼ばれ、作品が次々ヒットを飛ばそうが、なぜか手に取る気がせず、結局そのまま読まずじまいと…

出身県の代表を一名選ぶとしたら誰にする?ー『パリわずらい 江戸わずらい』

浅田次郎さんの『パリわずらい 江戸わずらい』(小学館・2014年)を読んでいて、「続・消えた二千円札」(P・95)という話に笑ってしまった。 "二千円札が消えてしまったのは、やはり肖像画がないからありがたみに欠けるのだ。だったらこの際、各都道府県の偉人…

散歩がぐんと楽しくなる本ー『日和下駄とスニーカー』

ページを開けた途端、"東京は坂と丘と谷の街である、と聞いてピンとくるのはよく歩く人である。"(『日和下駄とスニーカー 東京今昔凸凹散歩』・大竹昭子著・洋泉社・2012年・P・5)という序文が目に飛び込んで来た。 この本は、永井荷風の『日和下駄』を土台…

ほのぼのと幸せそうな猫

長谷川潾二郎 「猫」(P・98より) この長谷川潾二郎の「猫」が表紙になった洲之内徹の本、『洲之内徹が盗んでも自分のものにしたかった絵』(洲之内徹・求龍堂・2008年)良いなと思い借りてきた。エッセー集が元になっているので、取り上げられている絵も文章も…

アイルランドへの興味が高まる本

『異界へのまなざしー アイルランド文学入門』(山田久美子著・鷹書房弓プレス・2005年)は、文学に関心ある人のみならず、多少なりともアイルランドに関心がある人にとって、非常に解りやすく読み応えのある本だ。 おこがましい言い方だが、通常、研究者の本…

気を配るー『高倉健インタヴューズ』を読んで

この本の中で、(『高倉健インタヴューズ』(野地秩嘉・プレジデント社・2012年)高倉健さんは、気についてしばしば言及されている。 "いい映画には役者が発する気が現れている。役者同士がぶつかる火花と言ってもいい。"(P・20) "いい映画、いい撮影現場には…

もう一度見たい『潮風のサラ』ー農夫役のクリストファー・ウォーケンが光る

私はクリストファー・ウォーケンが大好きだ。『ブルースが聞こえる(Biloxi Blues)』のトゥーミー軍曹には、当初まったくなじめず、従って名前も知らなかった。それでも、何となく気になる俳優さんではあった。 会社で同僚たちとお昼を食べていたら、年若い同…

言葉及び言葉の持つ力について考えさせられる本ー『舟を編む』

『舟を編む』(三浦しをん著・光文社・2011年)を読み終えた時、"一念岩をも通す"言葉というが真っ先に浮かんだ。そして、言葉及び言葉の持つ力についても、じっくり考えさせられる本だ。 辞書編纂という地味な仕事の話だが、引き込まれるように読み終えてしま…

もし弥生時代が牛天神時代だったとしたら?

司馬遼太郎さんの『街道をゆく 本郷界隈』を読んでいると、ちょこちょことでてくるユーモラスな考察に、思わずクスリとしてしまう。 例えば、明治になって、かつて水戸藩の中屋敷だった場所に町屋ができ、町名をつける必要が出てきた時、園庭の水戸徳川家9代…

モースが見た明治初期の日本ー『日本その日その日』

"モースは、明治10年(1877年)、腕足類(無脊髄動物)を採取するために日本に来た。 旅先の彼を珍種の鳥でも捕まえるようにして、東京大学が動物学の教授としてまねいた。"(『街道をゆく 本郷界隈』P・20) そして、モースが2年の滞在期間に果たした業績の大きさ…

何事にも周到だった家康を知り見方が変わる

『日本史の謎は「地形」で解ける 文明・文化篇』(竹村公太郎・PHP文庫・2014年)を読んで以降、徳川家康について見方が変わった。というより、それまではほとんど関心がなく、日本史で習った以上の事は知らなかっただけのことだ。殊に、狸親父的イメージが印…

明治初期の日本は動物までおだやかだった?ー外国人から見た日本

散歩している時、白に黒が交じった綺麗な毛並みの猫が、玄関先から、通りがかりの犬を威嚇しているのに出会った。犬もウウッと低く唸って、両者共に睨み合っている。丁度読み終えたばかりの本に出てくる、ネコとキツネがケンカするエピソード(『街道をゆく37…

雷の子が可愛らしい小噺

"雷様がそこいらをひと巡りして鳴らしの仕事に出ようとすると、女房が「あ、そう、御苦労さま。坊やもついでに連れていっておくれよ」と頼まれ、足手まといだとぼやきながらも、子どもに虎の皮のフンドシをしっかり締めさせ、背中に小さな太鼓をしょわせて、…

イタリアの驚くべき長寿の町アッチャロリ

ヤマザキマリさんのブログ「地球のどこかでハッスル日記」で、"人口2000人のうち100歳以上が300人"という町のことを知り、凄いなぁと調べてみたら、次のような記事を見つけた。"アッチャロリは人口およそ2000人の小さな町で、人々は喫煙し、ジョギングをする…

脇町で阿波のよさを味わいたくなる本ー『街道をゆく 32』

"阿波のよさは、ひょっとすると脇町に尽きるのではないかとかねがね思ってきたが、来たのははじめてである。"(司馬遼太郎・『街道をゆく32 阿波紀行、紀ノ川流域』・朝日新聞社)、そんなに素晴らしい町だったのかと、ページを繰った途端、目に飛び込んできた…

映画は自分が撮るつもりになって観るのも面白そうだ

『映画を見る眼』(小栗康平・日本放送出版協会・2005年)を読んで、今更ながらではあるが、映画と原作はまったくの別物と教えられた思いであった。私はこれまでずっと、(原作がある場合だが)原作を映像化したのが映画で、両者をほぼ同様と考えていた。だが映…

なかなか甘くない結末ー『春にして君を離れ』

『春にして君を離れ』(アガサ・クリスティー・クリスティー文庫81・早川書房・2004年)を読み、どうしてこのような終わり方なのかと愕然としてしまった。成功した弁護士の夫を持ち、三人の子もそれぞれにまずまずの伴侶を得て、自分の人生にすっかり満足しき…

香り高い花にひっそりとした野菜の花ー目黒天空庭園にて

ハマナスの花と実(右の丸い緑色)目黒天空庭園に来てみたら、今月初めに咲き出したハマナスが、まだ咲いていた。嬉しくなって鼻を近づけてみると、以前ほど香りが強くはない。次から次へと嗅いでみるが、どれも今ひとつだ。ならば、クマンバチが潜り込んでい…

よだかが市蔵という名前だったらー鳥の鳴き声に膨らむ想像

スピーツスピーツ、チュチュチュンにキュルリだかキュウ~イだか鳴く鳥たちに交じって、ギーギーとずいぶんしわがれた声。その姿にオナガと判ったが、スッーと伸びた長い尾を中心に、両翼を広げカッコ良く飛ぶ様子に、その声は似つかわしくないなと思う。そ…

親子関係はもっとあっさりが理想だー映画『海よりもまだ深く』を見て

『海よりもまだ深く』(渋谷シネパレス)を見てきた。これまで日本映画やテレビドラマにほぼまったく縁がなかった私が、役者さんに言及するのはおこがましいが、阿部寛のダメっぷりはなかなか板についていた。かつて「坂の上の雲」で秋山好古を演じた時の、凛…

こんなにユーモラスだったのとあらためて注目ー『注文の多い料理店』・他

『注文の多い料理店』(宮沢賢治・青空文庫より)を改めて読んでみると、なかなか含蓄に富んでいておまけにユーモラスだ。実際はまったく逆の状況であるにも関わらず、何でも自分に都合良く解釈するのは人の常で、ここではその心理状態をうまくとらえている。…

時刻表の表紙に見入る幼子ー子どもと本

図書館の雑誌コーナーの前を歩きながら、「ちょろちょろ帰る?」と少し離れたところにいる母親に声をかけていた3歳くらいの男の子が突然、ウォー!とかウァー!と感嘆したような声を上げて足を止めた。何を見つけたのかなと、丁度近くの椅子に座っていた私も…

こんなセザンヌ夫人の絵見たことありますか?

『セザンヌ』(メアリー・トンプキンズ・ルイス著・宮崎克己訳・岩波書店・2005年)は、しばしば引用される批評家のよくわからない表現や、思い入れの強さに引っかかりながらも読み終えてみれば、セザンヌの軌跡を丹念に探ったその成果に深く感じ入る。セザン…

漫才のようなインタビューでの受け答えに思う

三島由紀夫賞を受賞した蓮實重彦さんのインタビューでの受け答えが、まるで漫才を聞いているかのようで、一言づつが可笑しい。ツイッターで流れていたので、早速その記事を読んでみた。司会者に今のご心境はと聞かれ、"「ご心境という言葉は私の中には存在し…

我欲とは真逆な人々を描いた映画ー『殿、利息でござる』

質素を貫くフランシスコローマ法王やホセ・ムヒカ元ウルグアイ大統領のような人が話題になるのも一時で、その暮らしぶりを見習おうとする者などごく稀だ。とりわけ昨今は、『無私の日本人』(磯田道史・文藝春秋・2012年)どころか我欲の日本人と茶化したいほ…

重いテーマにせつなくなる章〈硬くて冷たい椅子〉『カテリーナの旅支度』より

『カテリーナの旅支度 イタリア 二十の追想』(内田洋子・集英社・2013年)を読んだ。『ジーノの家』同様、さまざまな人生模様がじわっと心に染みてくる本だ。大半は豊かで恵まれた、もしくは、出自が貧しくとも成功を手にした人々の話で、その山あり谷ありに…

さまざまなセザンヌ像にやや疲れ気味な今日この頃

このところずっとセザンヌに関しての本を読んでいるが、研究者毎のセザンヌ像があってなかなか読みにくい。皆さん崇高の度合いが強く、自分の中からありとあらゆる賛辞の言葉を探しているのではと思わせられる絵の解説には、とりわけ辟易する。もっと淡々と…

ヤマザキマリさんの『イタリア家族』はとてつもなく面白い

ヤマザキマリさんの『イタリア家族 風林火山』(ぶんか社コミックス・kindle版)が299円だったので、コーヒー1杯分ならと試しに買ってみた。デフォルメされているのだろうが、それにしてもよくこんな家族いるものだと、あまりの面白さにたちまち読み終えてしま…

田中一村の『アダンの木』に魅せられて

奄美の杜8ービロウとブーゲンビレア(複製画部分)奄美の杜8ービロウとブーゲンビレア(複製画全体)会社を辞める時、知り合いから頂いた物の一つが、田中一村の複製画だ。切手となった下の部分よりも、むしろ上の方が好きだ。半分だけ写真に収めてから、勝手に…

さまざまな観点から絵を見るとグンと興味が増す

『複眼のヨーロッパ美術紀行』(鈴木久雄・新潮社・2008年・6月)は、時代背景や画家個人に関しての丁寧な記述に、こちらも、絵をまさにその"複眼"を通して見せてもらっているような気がしてくる。それはあたかも西洋美術史の講義を受けているようで、1章から…

近隣住民が利用できる大学図書館は有難い

隣接区にある大学図書館で、1年有効のライブラリーカードを作ってもらった。区立図書館の共通利用カードと、住所を確認できるもの(免許証など)を持参、3cm角の証明写真に登録料1000円を添えて申請する。カードが出来上がるまで20分ほどということなので、新…

心が温かさを求めた時には『旅屋おかえり』をぜひどうぞ

『旅屋おかえり』(原田マハ著・集英社・電子版)は、読み終えた途端、身体中が温かさに包まれる本だ。登場する人のほとんどが、思いやりに溢れた優しい人ばかりで、現実からやや離れている感もあるが、世の中が殺伐としている時には、それが嬉しい。住民の反…

勇気が湧いてくる本『ウーマンアローン』

自分に今ひとつパワー不足を感じ、一歩を踏み出せないでいる人にお勧めなのが、この『ウーマンアローン』(廣川まさき著・集英社)だ。最初のページを開いただけで、元気がみるみる充満すること間違いなしで、悶々としていたことも忘れ、すぐにでも行動したく…

ファンタジーの世界への入り口を見つけたらーちょっと覗いてみませんか

「あんた、ピノッキオかい?」と、ベンチに腰掛けている僕に向かって、山吹の茂みから不意に現れた、まるでオールドアリスみたいな老嬢が唐突に尋ねてきた。「エッ・・」と僕は、何が何だか分からぬまま言葉を詰まらせた。だって、僕の顔には、どこにもピノ…

「空色の楽園」から引き継いだ問いはいつでも自分の考える基準としたい

アントニオ・タブッキの「空色の楽園」(『逆さまゲーム』・須賀敦子訳・白水社)を読み始めたら、秘書求むに応募した若い女性が、いかに自分のイメージを高めるかに心を砕く様に、つい先頃、メディアを賑わした学歴詐称問題がふと浮かんできた。今回の件では…