照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

生き方

家族の肖像としても興味深く読める『ライト兄弟』

『ライト兄弟』(デヴィッド・マカルー著・秋山勝訳・草思社・2017年)は、有人動力飛行に世界で初めて成功したウィルバーとオーヴィルを軸に、後半は妹のキャサリンも加わった一家の物語で、彼らが互いにやり取りした手紙を主として組み立てられている。 ライ…

読後、身体中から元気と勇気と活力が湧いてくる『バッタを倒しにアフリカへ』

『バッタを倒しにアフリカへ』(前野ウルド浩太郎著・光文社新書・2017年)、一体何の本?と題名に戸惑うばかりか、バッタに扮した著者の写真に、単なる面白本か何かと、書店で目にしても手に取ることはなかったこの本も、実は次男からの譲り受けだ。 だが、読…

スキピオ・アフリカヌスにはつい肩入れしたくなる〜『ローマ人の物語』

未読であった『ローマ人の物語 』(塩野七生著・新潮文庫)のうち、「ローマは一日にしてならず(上・下)」と「ハンニバル戦記(上・中・下)」が面白くて、一気に読んでしまった。 象を連れたハンニバルのアルプス越えは聞いたことがあっても、何のためにそんな…

普段は海賊、時に応じて海軍の一員って?『ローマ亡き後の地中海世界 』

"人間世界を考えれば、残念なことではある。だが、戦争の熱を冷ますのは、平和を求める人の声ではなく、ミもフタもない言い方をすれば、カネの流れが止まったときではないか、と思ったりする。"( 『ローマ亡き後の地中海世界 海賊、そして海軍 4』塩野七生著…

500年以上も前にパッケージツアーを催行していたとは!〜『水の都の物語』

念願の聖地巡礼を果たしたミラノ公国の官吏サント・ブラスカが、帰国から三ヵ月後に出版した旅行記を中心に、当時のヴェネツィアの観光政策を絡めた「第九話 聖地巡礼パック旅行」がとても興味深い。"(『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 4』塩野七…

フン族から逃れて沼沢地に移り住んだヴェネツィアの民〜『海の都の物語』

"「アッティラが、攻めてくる!」「フン族がやってくる!」"(『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 1』塩野七生・新潮文庫・P・18)"と、西ローマ帝国末期に、蛮族中の蛮族と恐れられたフン族から逃れようと沼沢地に住むという選択をしたことから始まっ…

自分なりのスタイルを持てるかどうかが人の生き方を決定づける〜スティリコの場合

『ローマ人の物語 ローマ世界の終焉[下]43』(塩野七生・新潮文庫)までを、ユリウス・カエサル以前の7巻を残して読み終えた。 その直後私の胸に去来したのは、もちろん全員がそうだったとはいえないが、概して、皇帝というのは大変な仕事だったんだなという…

これから旅に出ます

本日5/4(木)、午前0:50発の飛行機でフランクフルト経由にてバルセロナへ。バルセロナからサラゴサ、マドリッド、メリダ、エルヴァス(ポルトガル)、エヴォラ、リスボンと回り、5/25(木)午後2:30発の便で、リスボンからブリュッセル経由で5/26(金)午後3:30…

一人の時間を豊かに生きるには〜歳を重ねるほどに精神の自立が大事

仕事を離れて1年。辞めた後、時間をもてあますのではないかと危惧していたのだが、それはなかった。老後は、幾つか趣味を持って、人との繋がりも増やしましょう的なアドバイスが載った本を見かけるたび、自分の考えとはちょっと違うなと感じていた。 私はむ…

"読まない字は書かないようにフランス国へ申し込んだらどうだろうか"という発想にびっくり

『旅行記でめぐる世界』(前川健一・文春新書・H・15)というタイトルに、どんな旅行記を取り上げているのかなと目次を見たら、安岡章太郎の『アメリカ感情旅行』があった。(オッ、これは)と読み始めたら、期待以上の優れものであった。 海外旅行自由化以前か…

旅に出て、何をどう感じるかー自分なりの視点を持たなければ風景は違ってくる

『インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日』(中村安希・集英社文庫・2013年)は、解説文(P・285)によると、"青少年読書感想文コンクール高等学校の部の課題図書となったせいもあり、本書は、若い世代にも多く読まれているが、・・・この本について語ると…

"家庭料理はごちそうでなくていい"に共感する

"家庭料理はごちそうでなくていい。ご飯とみそ汁で十分。"(The Huffington Post・3/26付)という見出しに目を引かれた。http://m.huffpost.com/jp/entry/15561352 提唱されているのは、料理研究家の土井善晴さんだ。 "献立の基本は一汁三菜。私たちはあまりに…

物の置き場所を極端に減らしてみたら本当に必要な物だけが残った

昨日は、朝から、クローゼットに押し込んでいた荷物を、さあ~やるかと、勢い込んで所定の位置に戻す作業に取り掛かった。アララ?、意気込みの割には何ということもなく、アッサリ終わってしまった。 元に戻すといったところで、以前は4個のカラーボックス…

閑静なお屋敷街は散歩するには良いけれど住みたいかとなるとちょっと考える

志賀直哉旧宅は、奈良・春日大社近くの閑静な場所にあった。昭和の初めに住んでいたというから、既に100年ほど前になるが、この辺りに漂うゆったりとした雰囲気は、当時もそうであったろうなと感じさせる。 志賀直哉旧宅前 住む周辺の感じって、案外気分に影…

奈良町の素敵なお店ー山の辺ファームさんでジャムを購入

奈良で、ちょっと素敵なお店を見つけた。餅飯殿(もちいどの)センター街から続いて下御門商店街に入ってしばらく行くと、右手に、果物やスコーン、ワッフルなどをほんの少しづつ並べている間口の狭い店があった。 山の辺ファームさん外観 右ガラスケースの中…

楽しみ事は腹八分目くらいがちょうど良いのかもしれない

やや長めの旅がしてみたい、もしくはずっと旅人生活なんていうのも良いかなと憧れがあった。だが、僅か3週間足らずではあるが、実際にやってみると、私には、旅に生きるというのは到底無理だとはっきり分かった。半年か一年どこか外国の街に滞在、あるいは数…

「せっかくだから・・・」という考えは捨てることにした

「せっかくだから・・・」、という考えは捨てることにした。せっかくだからあちこち回らなければとか、せっかくだからあれもこれも食べてみなくてはとか、もしくは、せっかくの好意を無にしてはいけないからと、自分が欲しないことでも無理に受け入れてしま…

身体が疲れたなと感じたら早め早めのメンテナンスが大事

金曜日は、何もしない日にしようと決めた。休養日にはちょっと早いんじゃないという気もするが、身体は、自分が自覚する以上に疲れている。早めのメンテナンスが大事だ。 奈良にはしばらく滞在するのだから、ゆっくり見て回ろうと思いながらも、つい張り切っ…

"センス抜群の名建築十輪院"ー小川三夫さんの本を頼りに奈良を歩く

十輪院 今回は、『古寺巡礼』(和辻哲郎著・岩波文庫)に加え、『宮大工と歩く奈良の古寺』(小川三夫著・文春新書)を携えて来た。道具もあまりない古い時代、棟梁たちは、建て方にどのような工夫を凝らしたのか、この本を手引きに、その知恵を見て回りたいと思…

こうなったらいいなと心の中に描いた夢は、時宜を得たらきっと叶う

昨日から奈良に来ている。リフォームが済むまでの間、滞在する予定だ。最初は、自宅近くのマンスリーマンションを考えていたのだが、大きな荷物が無ければ東京にいる必要はない。それならこの際、奈良に行こうかとなった。 実はだいぶ前から、退職したら、1…

今のところ私には、必要のない便利さは要らないと分かった

自宅から 15分ほど歩いたところに、食品に衣類に生活雑貨まで扱っているやや大きめのスーパーマーケットがある。この時期は、新生活を始める人に合わせて、布団から収納ケースや鍋、食器の類も豊富だ。近くには大学もあるのだが、新入生は、ここで全て賄えそ…

何でもかんでも買ったら直ぐの配達って必要ですか?

リフォームに備え、15年使用した家電類は、この際処分することにした。家電リサイクルセンターに回収依頼していた冷蔵庫は、土曜日の午前中に、業者さんが引き取りに来てくれることになっている。オーブンレンジと掃除機は、来週の月曜日に粗大ゴミとして回…

別れの季節にちょっとした贈り物のアイディア

3月は、卒業やら移動やらあって、別れの季節でもある。それに伴い、送別会での記念品をはじめ、取引先や同僚たちと、皆さんから結構沢山の物を頂戴したりもするだろう。私も昨年退職した際、思いがけずいろいろな品を頂き、心遣いを嬉しく感じる反面、戸惑…

物を持つということを改めて考えた

手放すかどうか最後の最後まで迷った本を、図書館の書架で見つけた時はちょっと驚いた。しかも、3冊だ。さほどメジャーというわけでもないそれらの本を結わえながら、この先もう手にすることもないと思っていた。それが、近くの図書館にあるとなると、いつで…

身も心も大満足のマダムサミット〜横浜にてランチ

昨日は、"マダムサミット"であった。といっても、何か難しいテーマを皆で議論するわけではない。かつて同じ職場で働いた6人が集って、美味しい食事とおしゃべりに楽しいひと時を過ごす会だ。 JR石川町の駅で待ち合わせてから、チャーミングセール開催中の元…

プレミアムフライデーに思う

昨日は、初めてのプレミアムフライデー。もし私が現役だったら、通常より2時間早く帰れるのは単純に嬉しい。しかし、どのくらいの職場で実施されたのだろう。また、この時間がどのように利用されたのかが気になるところだ。 ラジオでは、旅行などもいいと提…

ガランとした部屋で改めて自分に必要な物ひいては自分の生き方に思いを致す

第一陣の粗大ゴミを出し、ほとんどの荷物をクローゼットに収めると、部屋がガランとなった。まだ2週間弱ここで過ごすのに、少々気が早すぎたかなとも思ったが、自分にとって必要な物、ひいては自分の生き方について改めて考えるいい機会でもある。 そして、…

"魚座の季節。新しいスタートに向けて準備"にそうだったのかと自分の行動に納得

"魚座の季節。新しいスタートに向けての準備する。整える。"というタイトルに(彩星早苗さんのブログ「頑張り屋さんの未来に星の光を」2/19付)、自分がこのところずっとしてきたことがうまく合致して、ああそういうことだったのかと腑に落ちた。http://heartn…

怒りを感じた時はスクワットで場面転換を

昨日のラジオ(NHKFM)で、脳科学者の加藤俊徳さんが脳に関するさまざまな話をされていた。その中でも特に、怒りについての諸々が興味深かった。人が怒るのは、脳がどう対処していいか分からなくなった時だという。 だから、例えば子どもが怒り出したりした時…

いくら見た目を取り繕っても自分の素は隠しきれないー日頃の行いがものを言う

先日銀行で、用事が済むまでの間、国会中継を見た。国会中継は、テレビを持っていた頃でも見たことがなく、初めてだ。以前、たまにニュースの時間に流れるのを目にしても、正直関心が湧かなかった。 今回も、どうせつまらないだろうと思いながらも、いつ名前…