照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

絵画

ワシこれでもライオンなんですわ〜エヴォラ美術館(ポルトガル)で

エヴォラでは特に観光予定もなかったのだが、思いついてエヴォラ美術館へ行ってみた。宗教絵画などよりは、ローマ時代の遺物を含む古い時代の彫刻などの方が見ていて楽しい。それも、作品価値が高そうな立派な物よりは、ユーモラスな物に目がいく。 ワシ こ…

マドリッドは見どころがいっぱいーでも美術館の閉館時間にはご用心!

マドリッドには、美術館がとても多い。しかも、時間帯や曜日によって無料にしている所も結構あるので、それらを上手く利用するのもいい。但し、閉館時間に気をつけなければとんだ失敗をする。 私は、マドリッド3日目の日曜日、閉館時間が午後3時と早い王立…

こんな愉快な絵からワラジ?までー国立考古学博物館(マドリッド)

石に描かれた絵 見ているだけでこちらも笑顔になる 国立考古学博物館にはこんな楽しい絵があった。アルタミラ洞窟のリアルな牛の絵に比べ、これは何とも素朴で子どもが描いた絵みたいだ。わざわざ石に彫っているところから察すると、ただの落書きとも思えな…

ブリューゲル(父)の絵を見にデスカルサス・レアレス修道院へ〜マドリッド

初日にプラド美術館とソフィア王妃芸術センターに行ってしまったので、もうマドリッド観光は終了かなと思いつつガイドブックを開いたところ、気になる美術館が幾つかあるではないか。日帰りでトレドやセゴビアに行っている場合ではないと、回る順番を検討し…

旅先では自分の関心あることだけに絞る〜行って良かったプラド美術館

オステルにチェックインした後、すぐさまプラド美術館に行った。もし、チケット購入に時間がかかるようだったら、いっそ午後6時からの無料で入館でき列に並んでも良いかと考えたが、何のことはない。3時前に着き、15分ほど並んだだけで済んだ。 マドリッドに…

ピラール聖母教会は天井画も素晴らしい〜その一部はあのゴヤ作という

ローマ時代に作られたピエドラ橋から見たピラール聖母教会 ピラール聖母教会 サラゴサのピラール聖母教会は外観も見事だけれど、内部の天井画がとても素晴らしい。システィーナ礼拝堂(ヴァチカン)のミケランジェロばかりがもてはやされているけど、いやあ、…

ゴンドラに乗ってバルセロナ市内を一望〜モンジュイックの丘

ホテル最寄りの駅パセジ・ダ・グラシアから地下鉄11号線で5つ目のパラ・レル駅まで行き、フニクラついでゴンドラに乗ってモンジュイック城まで行ってみた。モンジュイックの丘は、標高173mということだが、ゴンドラに乗っていると、バルセロナ市内が見渡せ…

四天王に踏まれる邪気を見にゆくー東大寺・転害門から戒壇堂へ

転害門(東大寺)を目指して歩いてゆくと、通り沿いの建物もなかなか趣がある。門の前に置かれた案内板によると、この通りはかつて京街道と呼ばれ、江戸時代には宿場があったそうだ。私は、転害門を見るのも、この辺りまで来るのも、今回が初めてのため、その…

時には一枚の写真が語ってくれる言葉に耳を傾けてみる

春、シャガの花を目にするたび、"著莪(しゃが)は寂しき花なりき"という大木惇夫の詩の一節がセットのように浮かんでくる。若い頃、熊井明子さんのエッセイでこの詩を知ったのだが、確かに、シャガにはひっそりとした印象があって、群生していても地味な感じ…

クロマニョン人にビックリのラスコー展ー上野国立科学博物館

上野の森美術館の後で寄ったラスコー展も、なかなか素晴らしかった。保存のため今は公開されていない洞窟内の壁画を、そっくり再現した絵はもちろん見事だが、2万年前に既に絵を描くことを専門としている人たちがいることが驚きであった。 実際これを目にす…

セザンヌの妻オルタンスに会いに上野の森美術館へ

『画家の夫人』 (ポール・セザンヌ) 山手線の車内から偶然目にした、セザンヌの妻オルタンスの絵。デトロイト美術館展の案内であった。ぜひ行きたいと思いつつも、結局、ポルトガルの旅から帰るのを待たねばならなかった。 写真撮影が許可される火曜日を選ん…

猿が人間からペットボトルを奪う?

アジャンター、エローラにハンピとインド遺跡巡りの旅から帰ってきた次男から、猿が、人間からペットボトルを奪ったという話を聞きびっくりしてしまった。 ハンピ遺跡には、猿が祀られているハマヌーン寺院があるのが関係しているのかどうか分からないが、い…

東萩から時々日本海を眺めながらローカル線で益田へーいざ原田直次郎展なり

二日目は、東萩から益田まで約1時間15分ローカル線の旅だ。時々現れる日本海に慌ててスマホを取り出すも、なかなかタイミングが難しい。 益田駅から徒歩15分弱でグラントワ(島根県芸術文化センター)に到着、原田直次郎展へ。ちょっと思惑が外れたのは、『騎…

カラヴァッジョ好きはぜひこの一冊をー『カラヴァッジョへの旅』

私がカラヴァッジョを意識するようになったのは、2001年に東京都庭園美術館で開かれた展覧会からだ。それまで、若桑みどりさん好きの友人を通してカラヴァッジョという名を聞いてはいたが、どんな絵だろうと思うくらいで、積極的な関心はなかった。それが、…

団子の串刺し描法って?

"団子の串刺し描法"?ユニークな表現に、セザンヌの〈聖アントワーヌの誘惑〉を見返しながら、うまいことを言うと可笑しくなる。確かに、そこに登場する女性たちは、お団子をくっつけたようにも、コルネと呼ばれるパンのようにも見える。 また、セザンヌの〈…

こんなチャンス逃しては痛恨の極みだー「ほほえみの御仏ー二つの半跏思惟像」

展覧会パンフレットより 「ほほえみの御仏ー二つの半跏思惟像ー」は、本当に素晴らしく、私の展覧会ベストワンだ。今は6月でまだ半年あるが、文句無しのぶっちぎりだ。 中宮寺の半跏思惟像 パンフレットより 絵葉書より(中宮寺で購入) 絵葉書より(中宮寺で購…

お勧めの高島野十郎展ー目黒区美術館

雪晴れ(絵葉書より)積る(絵葉書より)サクランボ (チケットより)目黒区美術館で開催されている高島野十郎展へ行ってきた。だいぶ前になるが、日曜美術館という番組でこの画家を知り、その直後にここへきたことがあったがそれ以来でずいぶん久しぶりだ。今年は…

田中一村の『アダンの木』に魅せられて

奄美の杜8ービロウとブーゲンビレア(複製画部分)奄美の杜8ービロウとブーゲンビレア(複製画全体)会社を辞める時、知り合いから頂いた物の一つが、田中一村の複製画だ。切手となった下の部分よりも、むしろ上の方が好きだ。半分だけ写真に収めてから、勝手に…

さまざまな観点から絵を見るとグンと興味が増す

『複眼のヨーロッパ美術紀行』(鈴木久雄・新潮社・2008年・6月)は、時代背景や画家個人に関しての丁寧な記述に、こちらも、絵をまさにその"複眼"を通して見せてもらっているような気がしてくる。それはあたかも西洋美術史の講義を受けているようで、1章から…

自分で描いてみると絵の見方が変わる

Teruha美術大学の実技と称して毎日スケッチブックを広げていると、自分はこれまで、どれほど物を観ていなかったがよくわかる。描くってまず、徹底的に観察することから始まる。形をだいたいの感覚で掴んでいるだけでは、それを紙の上に再現するのは大変だ。…

若冲は楽しい

若冲展 (チケットより)昨日4月22日、上野の東京都美術館で始まった「若冲展」へ行ってきた。開館時刻に合わせ9時半頃着いたのだが、物凄い人で驚いた。予想を上回る行列に怯むが、この先、日を追ってますます混むだろうと思い、並んで待つことにする。入って…

絵はわかるわからないではなく引き込まれるかどうかだ

絵を見ることを、どこか高尚なことのように思っている人がいるけれど、そんなことはまったくない。また、絵がわかるって、知識のあるなしには関係ないと思う。"絵の物識りになることが、絵がわかるということではない"と洲之内徹は言う(洲之内徹・『おいてけ…

偶然が重なった日

自分大学を開講した4月8日は、花まつりつまり御釈迦様の生誕の日と重なった。美術大学の抽選にもれたお知らせハガキが来たので、ではこの日からと、軽いノリでたまたま決めただけだ。だがこの日は、どうも私にとって、記念すべき日ではないかと思えてきた。…

自分大学ーTeruha美術大学始めちゃいました

区立美術館主催の美術大学は、抽選で外れてしまった。まさに、(美術大学落ちたの私だ。だったら自分で始めちゃおう)というわけで、Teruha美術大学開講して1週間が経過した。勉強というのは、どこで学ぶにせよ基本は独学だと思っているが、あえて美術大学と名…

カラヴァッジョ展へはお早めに

3/8日の火曜日、朝一番で上野国立西洋美術館の「カラヴァッジョ展」へ行ってきた。9時30分開館だが、5分前に着くと既に50人ほどが並んでおり、次から次へと人が来る。だが中に入れば混雑からは程遠く、気に入った絵の前では、存分に鑑賞することができた。「…

奈良・興福寺へ阿修羅像に会いに行く

興福寺 南円堂興福寺 五重塔奈良では先ず、興福寺・国宝館へ阿修羅像に会いに行く。憂いを含んだ優しい顔、すらりと伸びた華奢な手足、闘いの神というが、その表情からはむしろ祈りを感じる。見てきたばかりの、三十三間堂の阿修羅像ともだいぶ異なる。この…

長谷川等伯の障壁画ー京都・智積院

休みの日、京都の智積院へ行ってきた。真言宗智山派の総本山であるこのお寺については、熱心な真言宗の信徒である母からたびたび聞いていたものの、その頃は、正直まったく関心がなかった。しかし母が亡くなってから、長谷川等伯の障壁画への興味も手伝って…

心落ち着く休日の午後ールドンとセザンヌに囲まれて

オディロン・ルドンポール・セザンヌ私は、ポール・セザンヌとオディロン・ルドンの絵を部屋に飾っている。といっても、どちらもカレンダーから切りとったものだ。それは以前、年末に貰い手もなく残っていたのをたまたま見つけ、会社からもらってきた。部屋…

神話への扉?ルドンの空

ベランダに出ると、朝焼けの空。昨年、9月初旬に撮った写真だ。私はこの色をルドンの空と名付けている。まるで神話の世界への扉にも思えて、今にもペガサスが、その姿を現してくれるような気がする。先日、ある方のブログに同じような空の写真を見つけ、同好…

まなざしに魅かれて ヘレン・シャルフベック展へ

芸大美術館横の大きな看板一昨日、根岸の子規庵から上野の芸大美術館へ回り、ヘレン・シャルフベック展を見てきた。初めて耳にする名だが、いつも利用する駅に貼られたポスターの絵と、本人の写真に興味を覚えた。それに、フィンランドの画家というのも、何…

シーギリア レディ イン スリランカ

侍女が持つ盆には、花それとも果物?スリランカの旅から帰ったばかりの次男から、シーギリアレディと呼ばれる壁画の写真を見せて貰った。その途端、インドのアジャンンター壁画を思い出した。和辻哲郎著『古寺巡礼』でその存在を知って以来気になっていたが…

闇に浮かぶ光 描き方のヒントは教会から?

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の中に入ると、美しい天井に目を惹かれる。ステンドグラスと壁のフレスコ画が荘厳な雰囲気を醸し出している。灯のようにも見えるステンドグラス。入口から入って順に回っているうちに、敬虔な気持ちになってくる。教会は、本…

ひっそりとした雰囲気に惹かれて ポデスタ礼拝堂

バルジェッロ国立博物館は、13世紀に、行政長官(ポデスタ)の館とし建てられた。その後、司法長官(バルジェッロ)の役所兼邸宅となり、呼び名はそのまま現在まで引き継がれている。これは2階奥にある礼拝堂入口だ。天井や壁に描かれた絵やステンドグラスが、祈…

イサクの犠牲 どちらを選ぶ?

ロレンツォ・ギベルティ作フィリッポ・ブルネッレスキ作フィレンツェにあるドゥオーモ付属・サン・ジョバンニ洗礼堂の北側の扉の制作は、コンクールで勝ったギベルティに任された。上の写真は、1401年の浮き彫りのコンクールで最終審査に残ったもので、バル…

ダヴィデ像2点 ドナッテロ作

ブロンズのダヴィデ像大理石のダヴィデ像フィレンツェ・バルジェッロ国立博物館には、ドナッテロ作のダヴィデ像がある。同じくフィレンツェ・アカデミア美術館にある、ミケランジェロ作の巨大なダヴィデ像とは、全く雰囲気が異なる。どちらもゴリアテの首を…

教会の天井画 フィレンツェ サンタ・マリア・ノヴェッラ教会

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会、天井に描かれた絵3点教会の壁や天井に描かれたフレスコ画は、優しい色合いだ。物語を知っていたならもっといいのにと思う。だがそのためには、1日に一つの教会だけを訪れるにとどめなければ、とても丁寧には眺めきれない…

受胎告知 サンタ・マリア・ノヴェッラ教会にて

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の受胎告知2点、ルネッサンスが花開いたフィレンツェだけあって、どこも教会には、素晴らしい絵がある。壁に描かれたフレスコ画を見て回っていると、私の目に入ってくるのはやはり受胎告知だ。前に、サンタ・クローチェ教会…

絵は解らなくても心で感じさえすれば

この幼子の楽しげに輝く笑顔、それに答えるマリア様の表情も優しい。彫刻にはほとんど関心がなかったのに、4年前、ここバルジェッロ国立博物館を訪れて以来少し興味が湧いてきた。今回フィレンツェで再訪したのも、ここだけだ。ドナッテロの作品を見たくても…

絵の見方は好きずき 自分なりの物語を

サンタ・クローチェ教会にある『受胎告知』を、3点写真に収めたが、マリア様と大天使ガブリエルの描き方がそれぞれに異なっていて興味深い。大天使ガブリエルの真摯な眼差しに対し、このマリア様の表情は、ずいぶん世俗的な感じがする。年下の若者が、憧れ…

ローマ カラヴァッジョを訪ねて

ボルゲーゼ公園内の池ボルゲーゼ美術館にはカラヴァッジョの作品が、6点ほど展示されていた。日本に貸し出されてきた折に見た作品も、何点か含まれている。私の目的はカラヴァッジョの作品なので、これらの前で時間の大部分を過ごした。ボルゲーゼ美術館は、…

名古屋での読書会2月 その2

読書会の前に、岐阜県立美術館へ行くことにした。この美術館にはオディロン・ルドンの絵がたくさんあるので、一度行ってみたいと思っていたが、今回は丁度良い機会であった。名古屋から東海道線に乗り換え、西岐阜まで快速利用で約25分と近い。岐阜の隣駅に…

奄美のたんかんに田中一村を想う

奄美大島産のたんかんを頂いた。勤務先の事務所があるビルの同じフロアの会社の方が、社長の出身地から送られてきたというたんかんをお裾分けしてくださった。初めて食べたが、甘く果汁たっぷりの味は、オレンジに近い。事務所の前を通るたび、田中一村の複…

感動の『最後の晩餐』 ミラノにて

ミラノ ドゥオーモ ドゥオーモ内部 ステンドグラス 2014年4月はミラノに行った。須賀敦子さんの『ミラノ霧の風景』を読んで以来、いつかは訪ねたいと思っていたがこれという目的はなかった。サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会付属のドメニコ派旧修道院…

ベルゲン街歩き

珍しいムンクの『叫び』ベルゲン美術館にて ガスっているフロイエン山と中腹に建ち並ぶ家々 ベルゲン美術館前の公園から フロイエン山からフィヨルドを見下ろす 朝の雨も小雨に変わり、それも降ったり止んだりであったが、昼前には完全に止んだ。少し街歩き…

ムンクについて

橋の上に佇んで海を眺める人々、そのモチーフが繰り返し現れるムンクの作品に、静謐と祈りという言葉が浮かんできた。人が根源的に抱いている畏れ、その畏れを鎮めるための祈りが、絵を通して伝わってくる。そして、これまで自分は、『叫び』から受けるイメ…

オスロシティホールで

ボートから降りると目の前にあるシティホールへ向かった。ここではノーベル平和賞授与が行われる。晩餐会の間や壁画など見て回る。 窓辺から眺めるオスロの海は、静けさそのものであった。ゆったりとした時間が流れている。この穏やかな海を目にした時、写…

チューリッヒにて

ヴィンタートゥールから、電車で30分弱でチューリッヒ中央駅に着く。駅前のホテルを予約していたはずが、駅のどちら側にも見当たらない。とりあえず歩き始めた。つい1週間前はチューリッヒ湖も凍る程の寒さだったようだが、今日は最高気温が10度と予想されて…

ヴィンタートゥール その2

賑わいのあるメインの通りを歩いていると、どこの店も美味しそうに思えてくる。カフェに入って、ビールと料理名がわからない一皿を注文する。混雑している店内で、テーブルに載っている率が高い物を選んでみただけで、私にさしたる基準はない。味は良かった…

ヴィンタートゥール 美術館巡り その1

駅のツーリストインフォメーションでミュージアムパスを購入し、ついでに市内地図も貰う。外にでて美術館バス乗り場を探すが良く解らないので、路線バスの列で待つことにする。しばらく待っていると、前方に停まったバンに乗り込む人の姿が見えた。もしやと…

スイスへ  ヴィンタートゥール

ザ・コレクション・ヴィンタートゥール展に行ってみた。あちこちでポスターを目にしていたが、さほど興味を惹かれずにいた。たまたま同僚から券を頂いたので行ってみると、予想以上の素晴らしさに、ヴィンタートゥールという名前が心に刻まれた。2012年の2…