照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ピーテル・ブリューゲル『農民の婚礼』〜ウィーンの美術史美術館で大感激

2006年4月、ウィーンに着いた翌朝、美術史美術館に入館後、ピーテル・ブリューゲルの絵が展示されている部屋へ急いだ。図書館で借りた大きな画集でも解らなかった細部、とりわけ花嫁の顔がはっきり見える。

画集で愚鈍のように思えた花嫁は、恥じらいの表情を浮かべていた。(どうして婚礼の主役であるはずの花嫁がこのような顔をしているのだろう)、という長年の疑問が腑に落ちた瞬間であった。やはりブリューゲルは、愛情をもって花嫁を描いていたと嬉しくなった。

『雪中の狩人』も、キーンと張りつめた冷たさが伝わってくる絵だとずっと思っていたが、絵の前に立つと、思いがけず暖かな雰囲気が立ち昇ってきた。スケートに興ずる人々の、笑いさざめく声さえも聞こえてくるようだ。それにしても、実物を見なくては解らない事が多いものだと、しみじみ思う。

他にも、(素晴らしい)と唸ったまま動けなくなってしまった作品がたくさんあって、ただただ感激していた。今回を最後の旅にはできない。これまで見てきたのは印象派中心であったが、これからはルネサンス前後からじっくり見てゆこうと決意した。