照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ウィーン街歩きープラーター公園からドナウ河まで足の向くままに

 
 
滞在したホテル・ド・フランスで頂く食事は、朝の楽しみであった。窓際の席から道行く人々を眺めては、その暮らしをぼんやり思っていた。その日は、たまたま壁際の席であった。
 
紅茶を飲みながら、なにげなく斜め前のテーブルについた夫妻に目をやった。奥様のスニーカーに気をとられながら 、(かなりのボリュームの方!)と感嘆した途端、話しかけられて驚いた。内心を読まれたのかしらと、ドキリとした。
 
日常、英語に触れる機会のないわたしの耳は、居眠りモードであった。あまりに頓珍漢な受け答えに呆れたのか、奥様がスリムなご主人に「彼女、英語得意じゃないみたいね」と囁く。しかし、そのような言葉は、しっかりとこちらの耳に届く不思議。
 
お天気の良さに気を取り直し、映画『第三の男』で有名なプラーター公園に出かけてみた。頭いっぱいにチターの調べを響き渡らせながら、大観覧車に乗って、眼下に広がる街並みを眺めるのは気持ち良かった。ウイーン滞在4日目ともなると格別行きたい所もなく、暇つぶしに園内周遊のミニ電車にも乗ってみたら予想外に楽しめた。
 
ドナウ河も見ようと、張り切ってプラーター公園近くの駅から向かったが、4月下旬の汗ばむ陽気に、見物は早々にして市内中心部へ戻ってきた。人波を追いながらのぶらぶら歩きにも疲れたので、お茶の時間とした。ホテル・ザッハで頂くザッハトルテとメランジェは、場所の効果もあってかより味わい深かった。
 
明日はどうしようかと考えながら、日暮れが遅い公園で余暇に興じる人々を横目に、ホテルまで歩いて向った。しかし、仕事が終わった後の時間の使い方が、日本とはなぜこうも違うのかと少し考えさせられる。
 
そして、(ウィーンも全部見ちゃったよとか言って退屈している場合じゃないでしょ。まだまだ見えていない部分がいっぱいあるのでは)、と軽く自分にジャブを入れて明日に備える。