照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

群れずに孤独と向き合う強さに惹かれて〜オディロン・ルドン オルセー美術館

十代の終わり、部屋に飾っていたのは、暗い色調のルドン(Odilon Redon)の版画『仮面は弔いの鐘を鳴らす』であった。それがいつの間にか、花の絵に魅かれるようになった。

今は、ルドンの『長首花瓶の野の花』の複製を部屋に飾って毎日眺めている。オルセー美術館を訪ねたら、真っ先にこの絵が飾られている場所に行く。
 
青い花瓶のアネモネとリラ』の複製も、玄関に飾って日々目にしている。儚げな花々のその花芯に、深い闇をを感じる。ルドンが幼い日々目にした、荒涼としたノルマンディーの風景が突き刺さる。群れずに自分の孤独と向き合う強さが、私をこの絵に惹きつける。

ある年のロンドン、電車を待っている時、偶然目にしたルドン展のポスター。その日の予定を変更して駆けつけたロイヤルアカデミーでは、心ゆくまで作品を眺めた。帰国の日の朝も、出かけていった。あれほどの規模の展覧会には、その後出会っていない。

いつか、幼いルドンが過ごしたノルマンディーを訪ねたいと思っている。自分がなぜルドンに魅かれるのか。その風景に、答えがあるかもしれない。