照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ポール セザンヌの絵の魅力に誘われて〜海外美術館巡りに弾みがつく

象徴主義のルドンと同時代に活躍した、ポスト印象派セザンヌ(Paul Cézanne)も大好きな画家の一人だ。卒論は、その二人をテーマに何か書いてみたいと漠然と思っていた。

ある年の夏期スクーリングでは、西洋美術史を選択した。授業初日、「卒論を美術史でやりたいという相談がよくありますが、美術史は1、2、3に語学、4、5に語学です。英語は当然ながら、イタリア語、フランス語、ドイツ語ができないと資料が読めません。」

そこへ追い打ちをかけるかのようにある日の講義で、「プッサンにかえれ」というセザンヌの言葉を引き合いにだし、「セザンヌを取り上げたいという人は、此処で行き詰まるのです。」おぼろげな夢が、かけらとなって散った瞬間であった。

東京・日本橋のデパートで開催されたコートルード ギャラリー展で、セザンヌの、緑の印象の強い風景画が年代別に展示されているのを見た事がある。このようなのは初めてで、静物画中心の作品を主に見てきた私には新鮮であった。

晩年になるにつれ、形は曖昧に、緑も柔らかくと、次第に抽象に向かっていくように思えた。自分の知らないセザンヌを、見つけたような気持ちになった。美術史で卒論をとの思いは潰えたが、自分なりのセザンヌを探し続けたいと思った。

オルセー美術館でもオランジュリー美術館でも、セザンヌの見方に、気合が入った。

パリから帰国する機内で、アムステルダムから始まった今回の旅を振り返りながら次の計画を考えていた。そして、翌2008年は、ロンドンのコートルード研究所・付属ギャラリーを訪ねようと決めた。