照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

食べたり飲んだり見たり聴いたりと〜盛りだくさんなプラハ街歩き

プラハ国立美術館ブリューゲル(父)の『干草の収穫』を見ようと思っていたのだが、列車に揺られ、さくらんぼの事を考えているうちに、絵画の事はすっかり忘れてしまった。
 
ホテルの部屋に荷物を置くと、モルダウ(ヴルタヴァ)川添いにカレル橋まで歩いて行った。六月下旬というのに晴天ながら肌寒く、ダウン姿の観光客もいる。
 
賑わう橋を抜け、プラハ城の方へぶらぶら歩く。日曜日のせいか、店はどこも満席だ。空いていそうな店を見つけビールをオーダーする。
 
ショーケースのお菓子の名前を聞いたつもりが、サンドイッチと一緒に運ばれてきた。変な取り合わせだが、これもご縁と味わう。ビールも追加だ。
 
坂道を歩いて行くと、コンサートのチケット売りがいた。街のあちこちで勧められても断っていたのに、今回は何となく買ってしまった。ビールとお菓子の魔法か。
 
開演まで時間はある。そのままプラハ城へ行くのが億劫になってしまった。ホテルまで戻って、昼寝することに決める。カレル橋を避ければ、ホテルまでそう遠くない。測量技師さんだって、城へは辿り着けなかったじゃないかと自分に言い訳をする。
 
リヒテンシュタイン宮殿で行われたコンサートは心地よく、その勢いのまま、プラハ城までの急な坂道を登ることにした。私も測量技師さんになってしまうのかと心配するほど、城への道は遠かった。
 
ようよう着いた頃には閉門時間が迫っており、周りを歩いただけだったが、それでも十分であった。城からの眺めは絵葉書そのままで、今度は別ルートをゆっくりと歩いて下った。
 
市内交通24時間有効のキツプを持っていたが、トラムに乗るのは惜しまれた。街並みを眺め、川を渡り、トラムを横目に、結局、旧市街まで歩いて行った。
 
夕飯でも食べようかと入った店は、ロシア風の名前だった。ホワイトアスパラガスはどっさりと皿に盛られ、付いてきたパンもカゴ一杯だ。
 
軽食でも買ってホテルに持ち帰れば良かったと、後悔したが遅かった。残す事にためらいがあっても、お腹には限界がある。まして小食だ。旅先で一番頭を悩ますのが夕食だ。量が多い。それに、一人では時間をかけて楽しむという雰囲気からは程遠い。
 
一泊だけのプラハは、全身を目にして歩き回った。
美しい街だ。美術館は、また来ればいい。明日の昼には、ドレスデン行きの列車に乗る。
 
プラハ城は、フランツ・カフカ著『城』のモデルではないが、 
 気分はすっかり測量技師さんであった。