照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

パリ・ダブリンへ  パリ編

ギネス(Guinness)が好きだ。炭酸が苦手で、ビールを飲むことはあまりなかった。それがギネスに出会い、クリーミーな泡が大好きになった。思いはダブリンへと飛ぶ。ギネスストアハウスでビールを飲もう。2010年は、パリとダブリンへ旅することにした。
 
パリに寄ろうと決めたのは、3年前に出会った方のお店で食事したいとの思いからだった。ホテル到着後、ディナーの予約を入れて出かけた店は、スタッフが入れ替わっていた。ホールを取り仕切っていたオーナーのお姉さんの事を聞いても、知らないようである。マダムならもう間もなく来るという。食事しながら、到着を心待ちにしていた。
 
やがて現れたマダムはまだ若く、3年前に私がお会いした方とは違う。
レストランの名前は同じだけれど、オーナーが変ったのだろうか。
訝しく思いながら、「3年前にトラヤカフェでお会いした方とは違うようですが・・・」尋ねる。
すると「私と3年前に再婚しました」と言うではないか。びっくりしてしまった。マダムは、夫の長男と同い年で、赤ちゃんもいるという。
「お尋ねすべきではないかもしれなせんが、前の奥様は日本へお帰りになったのでしょうか」思い切って聞いてみる。
「いえ、まだパリにお住まいです」の返事にまた驚く。
 
専業主婦で、お店を含めご主人の仕事の一切に関わっていないと言っていた。他人事ながら、生活のあれこれが気になる。お姉さんは帰国したとのことであった。人にドラマありという言葉が浮かぶ。
 
かつて、ツアーの添乗員をしていたという活力漲るマダムは、話していて楽しく、ひとりの夕食に花を添えてくれた。明日はマダム推薦のロダン美術館へ行ってみよう。
 
ロダン(Auguste Rodin)に恋しながら、妻として選ばれなかったカミーユ(Camille Claudel)の人生が、マダムと交差する。ピノ・グリ(アルザスの白ワイン)を飲みすぎたか。急に降り出した激しい雨に、マダムが手配してくれたタクシーでホテルへ帰る間、それぞれの人生に思いを走らせていた。