照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ハワイ ザ・バスの旅〜ノースショアでは海を眺めながらギネスを一杯

ハワイを含むリゾート地は、私の旅先リストにはなかった。それが、思いがけず結婚式参列のため、2012年6月に訪れる事になった。
 
月曜日の式まで何をして過ごそうかと考えていた。土曜日は、ホノルル美術館に行くことにした。西洋と東洋の美術品5万点以上を収蔵しているこの美術館は、クック夫人が所有するコレクションを基にしている。また建物は、州の歴史的重要建造物に指定されているそうだ。
 
ホテルからタクシーで向かうと、運転手さんもあまり来たことがないのか、チケット売り場のある正面を通り過ごしてしまった。入り口を探しながら広い建物を回って、結局裏で降ろしてくれた。いくつかある通用口を押したり引いてたりしてみたが、当然ながらカギが掛かっていて入れない。建物を1回りして、チケットを購入してからようやく入館する。
館内はほとんど貸切状態で、時折係員がくるだけだ。だが、収蔵作品は素晴らしい物ばかりであった。予期せずに、オディロン・ルドンの作品があった。これだけでも来たかいがあったと、静かな館内で一人感激していた。中庭のカフェもいい雰囲気だが、お茶を飲んでる時間はなかった。早めの夕食が控えている。
 
日曜日は、ザ・バスでノースショアに行ってみることにした。ホテルを出ると、すぐ前のワイキキの浜辺をちょっとだけ散策してみる。朝とはいえ海辺はまぶしいので、木々が生い茂っている方へ曲がって行く。プルメリアの花がいい香りを放っている。売店があったので、朝食用にいくつか見繕って外のテーブルで頂く。
 
広い通りへ出ると、丁度バスがきたのでアラモアナショッピングセンターまで乗った。1.5ドルのチケットで2時間以内なら乗り継ぎ可能だ。ノースショアまでは途中でもう一度バスに乗り換える必要があるが、新たにチケットを買う必要はなかった。全員が乗り換えになるからだろうか。(*1.5ドルは当時の円換算で150円位)
 
ドール・プランテーションで降りる人もいた。パイナップル畑の真ん中だ。ノースショアまで行く間に、ほとんどの人が降りてしまう。私は特に目的もないため、予定通りノースショアで降りる。橋の上から川を見下ろすと、亀が気持ちよさそうに泳いでいる。日差しの強い通りを歩くよりはと、開店したばかりのレストランへ入った。
 
ガーリックシュリンプに枝豆、ビールは迷わずギネスにする。ギネスがあること自体、意外であった。海を見ながら飲むビールは、まさに至福の時という表現がぴったりである。
 
小鳥も地面を歩き回っている。店内は満席だが、日本語が聞こえないせいか、人々の話し声も私にはBGMほどの効果で、自分ひとりの世界に浸る。ゆったりとして静かな時間が流れる。これこそが贅沢ではないかと思う。1時間に1本のバスを待つには丁度いい。この後は、また1.5ドルのザ・バスに乗って、アラモアナまで3時間の旅だ。もう1本ビールをオーダーする。
 

海岸沿いを走るザ・バスの旅、ドライバーさんは女性だった。海の色がグラデーションになっていて綺麗だ。ポリネシアンカルチャーセンターを訪れるのも面白そうだが、今からでは遅すぎる。

 

ジュラシックパークのロケが行なわれた近くを通る。やがてバスが海沿いを離れ、坂道を登って行くと、うっそうとした森も見えてくる。自分のイメージしていたハワイとは違い、なかなか良いところだ。物知らずであっただけと反省する。結婚式に招待して頂いたおかげで、素敵な時間を過ごせた事を感謝する。今度は逆回りで、ザ・バスの旅してみたいな。