ムンクについて〜こんな生命力溢れる絵もあったんだと驚く
橋の上に佇んで海を眺める人々、そのモチーフが繰り返し現れるムンクの作品に、静謐と祈りという言葉が浮かんできた。人が根源的に抱いている畏れ、その畏れを鎮めるための祈りが、絵を通して伝わってくる。そして、これまで自分は、『叫び』から受けるイメージのみで、ムンクを捉えていた事に気づかされる。オスロ国立美術館でさまざまなムンクの作品を目にし、オスロ大学アウラ講堂でムンクの壁画を見て、その思いは更に深まった。
このような絵は初めてだった。テレビの絵画番組でも見た記憶はなかった。熱心なムンクファンというわけではないので、知らなかっただけかもしれない。入り口から左右の絵を見ながら進むと、正面に『太陽』がある。海から昇る太陽に、生命の輝きを感じた。この絵に出合えたことは、オスロでの最大の収穫であった。