照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ヴェネツィア日帰り旅 その1

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左側  カ・ドーロを守る狛犬みたいなライオン?
 
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生活感溢れる風景    カ・ドーロのベランダからお隣を眺める
 
朝8時過ぎのユーロスターイタリアでヴェネツィアへ行く。7時間位は滞在出来るよう計画して、早割でチケットを手に入れていた。あまりに高いヴェネツィアのホテルに、1泊位では滞在時間は変わらないと日帰りに決めた。ヴェネツィア派の絵画にさほど魅かれなかったというのもあった。
 
2時間半あまりでヴェネツィア・サンタルチア駅に到着だ。駅からすでに、大変な人人人である。水上バス・ヴァポレットのチケットを買うのも乗るのも時間がかかる。12時間券を購入してとりあえずカ・ドーロまで行くが、人波について歩いて行っても10分位だ。
 
先ずは食事と目指すレストランを探す。土地勘には過剰な自信があったが、またもや迷いに迷ってようやく探し当てる。とにかく路地が狭い。まさかと思うような場所に、イカ墨パスタの人気店はあった。心づもりより大幅に遅れての到着であったが、席はまだだいぶあって安心する。イタリア語の一つも覚えてこなかった事に気付いて慌てたが、何とかオーダーも済ませホッと一息つく。
 
程なく前の席に案内されてきた女性が、イタリア語でオーダーしていたが、日本人かと思われ声を掛けてみた。すると私の前の席へ移ってきてくれた。半年前からイタリアへ語学留学中の方であった。ヴェネツィアの学校へ3ヶ月ほど通った後、現在はヴァドバの学校で学んでおられるとの事であった。
 
日本語で話せるのが嬉しいと言う彼女と昼食の間中話が弾み、1人旅のこちらもおかげで楽しい時間を過ごせた。その日はヴァドバから歯の治療に来たとの事であった。この店に寄るのを楽しみにしていたと言う彼女との出会いに、道に迷ったのも天の配剤かと思えた。  
 
自分の語学留学は年末までだが、その間に来る予定はあるかと問われた。だが、私の年末の旅計画は既に決まっていた。更にイタリアへの旅となると、休暇も予算も折り合わない。残念ながらヴェネツィアでもヴァドバでもお会いする機会はない。海原ですれ違った船のごとく、これも一期一会であろう。
 
彼女とさよならしてから、お勧めの店でマンゴー味のジェラートを頂く。美味しい。カ・ドーロ(フランケッティ美術館)で、マンテーニャの『聖セバスティアーノ』を見てから、再びヴァポレットに乗船する。静かで人も少ない美術館とはうって変わって、もの凄い混雑ぶりにくらくらする。
その2に続く