照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ミラノ街歩き  ドゥオーモ屋上とアンブロジアーナ絵画館

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ドゥオーモ屋上にて
 
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それぞれの尖塔の天辺には聖人
 
約500年の歳月を経て完成したというドゥオーモの屋上へ、朝1番にエレベーターで登る。階段は、フィレンツェのクーポラで懲りていた。
 
屋上へ出てみれば、あらゆる所に繊細な彫刻が施されていて圧倒される。それは天辺の聖人にまで及ぶ。中央尖塔に聳える黄金のマリア像を写真に収めようとしたが、逆光でもあり俄かiPhone小僧の私には難しかった。じっくり眺めてから下へ降りれば、2箇所の入り口は既に長蛇の列であった。
 
次にアンブロジアーナ絵画館へ回る。カラヴァッジョの『果物籠』は、これまで目にしてきた作品とは異なっていた。果物に添えられた虫食いや萎れた葉がリアルで、背景の色と共に全体に静かで落ち着いた雰囲気を醸し出している。ラファエロ・サンツィオの『アテネの学堂』の下書きをはじめとして、数々の名品がある美術館だが、私はむしろ、この絵(『果物籠』)の静けさにずっと浸っていたいと思っていた。
 
ガイドブックにはミケランジェロとしか記載されていなかったので、この作品がある事は知らなかった。むしろミケランジェロ・メリージの名よりは通称のカラヴァッジョの方が知られているだろうと、役に立たない本の説明を残念に思った。
 
特に目的もなく訪れたミラノであったが、『最後の晩餐』に続きこの作品に出会えた事で、来た甲斐があったと嬉しくなる。この感激を今暫く胸に残したいと、ブレラ絵画館は明日訪れる事にする。