照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

コモ湖へ〜雷に激しい風雨とあまりに凄まじいその歓迎ぶりにやや閉口

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ドゥオーモ屋上
 
日曜日は、避暑地として知られるコモ湖へ行くことにした。朝からどんよりとした曇り空であったが、コモ湖へ着くころには雨が降りはじめ、雷まで鳴り出した。しばらく駅構内に留まっていたが、凄まじい歓迎式典はなかなか終わりそうもない。小雨を見計らって湖目指して歩き出す。ほんの少し湖畔を回るが、時折降り方が激しくなる雨に閉口して、湖が眺められる店に入って休憩することにした。
 
こじんまりした店内は雨を避ける客で一杯だったが、折りよく、私が入ると同時に席を立つ人のテーブルが空いた。カプチーノを頼む。家族経営の店なのか、雰囲気がいいのでしばらく雨宿りさせてもらうことにした。だが待っていても風雨は収まりそうにない。小降りになった時に外へ出て駅へ向かう。
 
来る時とは反対側の席に座ると、窓外の景色は割合良く見晴らせる。ミラノから近いのに、この辺りは田園地帯といった赴きだ。こんな何もない所を、牛や畑を眺めながらポクポク歩くのもいいかなと思う。
 
以前は大都市中心の街歩きを好んでいたが、少々人波に疲れを覚えるようになってきていた。だが日々の通勤は観光地の比ではない。電車内も乗り換えの通路もぎっしりと人で埋まっている。一発触発の感さえある。ベネツィアミラノの観光客の多さに、通勤時を連想してやや辟易していたのかもしれない。
 
沿線の緑の多い光景に、会社の最寄り駅よりひとつ手前で降りて、街路樹や植え込みの草花を眺めながら歩く気持ち良さを思い出していた。次回からは、小さな街に滞在するのもいいかなと思う。
 
コモ湖から帰った後は、ピッツァを食べに行く。食べ終えて外に出る頃には雨が上がっていたが、もう街歩きしたいとは思わなかった。そのままホテルへ帰る。
 
明朝は6時前にホテルを出て駅前から空港行きのバス乗る予定だ。疲れを残したくなかった。朝6時はまだ薄暗い。ホテルから駅までは徒歩でも5.6分だが、通り沿いにあるホテルに飛び込む場合も想定して順路をシュミレーションしてみる。タクシーを頼む程の距離ではない。駅前のホテルからわざわざ代える必要もなかったと悔やむが仕方ない。
 
翌朝は駅まで行く間、トラム乗り場で乗車を待つ客を見かけたくらいで、これといって警戒を要する人には会わなかった。駅の側までゆくと、荷物を持った人も多くなってくる。駅構内を用心しながら通り抜け、バス乗り場に到着する。予定より早かったが、ひとつ前の発車直前のバスに乗車する。
 
ミラノ・マルペンサ空港へ到着し、パスポートコントロールも済ませ中に入ると搭乗ゲートがまだ表示されていない。私のフライトより遅い便はゲートが決まっているのにと思いながら、とりあえずラウンジに行く。軽食を頂きしばし寛いだ後、ゲートが遠かったら大変とラウンジを出て掲示板を確認すれば、なんとすぐ横であった。ミラノともいよいよお別れだ。