照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

バイヨンからタ・プロームへ〜優しく微笑む 仏像 イン シュムリアップ

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バイヨンにて  至る所にこの微笑みが!
 
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タ・プローム  木に飲み込まれる遺跡
 
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遺跡の上に根を張った木
 
バイヨン寺院で、微笑む仏像に感激してシャッターを押して後を振り返れば、ひとつだけではなかった。そこここで微笑んでいるではないか。なかなか壮観だ。
 
発見されてからまだ100年足らずのアンコールワット遺跡群で人気が高い寺院だが、その微笑みが人を惹きつけるのだろう。誰の目に触れる事もなく、森に埋もれて静かに微笑んでいた仏像の歳月を想い手を合わせる。
 
象に乗って辺りを回る観光客もいて、興味が湧く。だがちょっとだけ怖い気もして、歩いて見て回る事にする。なるべ林の中を歩くようにするが、湿度が高く汗だくになる。そうなると軟弱な私は、退散したくなってくる。軽く一回りして済ませ、タクシーに逃げ込む。
 
昨日ドライバーさんからのセールストークに、トゥクトゥクで回ろうと思うと言った途端、「ダメですよトゥクトゥクなんて」と言われた。客獲得に懸命なための言葉ではあったと思うが、私には正解であった。未舗装で穴ぼこの多い道路は、土ぼこりも凄い。涼しく埃も舞わない車内は快適で、チャーターしているため自分の都合で回れる。
 
タ・プローム寺院は、巨木が建物を呑み込むだけあって、丈高い木々が日差しを遮ってくれるのでまだ歩き易かった。発見されるのがもっとずっと後であったら、このような遺跡には巡り会えなかったと感慨深い。
 
バンティアイ・スレイ同様ここでも、地雷被害者への救済を訴える募金活動が行われていた。民族楽器の演奏に耳を傾け、ささやかな寄付をする。例え騙されたとしてもいいと思った。旅行出来る余裕の有る者が、演奏への対価として僅かな施し位してもいいだろう。
 
日本で地震が起こった際も、赤十字への批判は口にしても、寄付にもボランティアにも関心を抱かない人のもっともらしい言葉が浮かんできた。頭の中だけで、評論家のごとく良し悪しを考えるのではなく、自分は人としてどう行動すべきか判断する事が重要だと思っている。
 
タ・プローム寺院を出ると、ホテルへ帰る事にした。ドライバーさんは昨日に引き続き、土産物屋巡りや夕食時のレストランなど提案してくるが全て断る。 暑さで食欲もない私は、昼食も摂らずに回っていた。ドライバーさんは遺跡巡りの前に、馴染みの店から弁当らしき物を購入済みであった。私が見学中にお腹を満たしていたようだ。
 
私は暫く休憩してから、オールドマーケット辺りで食べるつもりにしていた。商売熱心も過ぎると、煩わしくなってくる。翌日の予定も尋ねられたが、何処も見学しないと断る。チップをあげてさよならする。時間が早いから、まだ十分午後の営業はできるだろう。
こうして二日目の見学が終わる。