照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ボイストレーニングで健康に!

f:id:teruhanomori:20141120035627j:plain
 
ボイストレーニングを始めて四回目が終了した。レッスンは楽しく、1時間2,500円という料金も魅力的である。子どもの頃から歌う事が苦手で、人の集まりなどもカラオケがあるとうんざりした。ここ十数年は、「母の遺言ですから、人前では歌いません」で通している。
 
だがあるインタビュー記事をきっかけに、すぐさまレッスンを申し込んでみた。音痴一筋だった方が、人前で歌う事に積極的になったというくだりに、それなら私も習えば何とかなるかなと思えた。教えてくださるのは、ソプラノ歌手で、東京、調布の深大寺でスターミュージュックを主宰されていらっしゃる杉本明子先生だ。
 
初レッスンは呼吸法から始まって声の出し方へと進むのだが、これまで考えもしなかった事に最初は戸惑った。だが、身体を楽器に例えての説明に、声を出すためには息の吐き方がどれほど大切か十分理解できた。
 
先生のピアノに合わせて発生練習をするうちに、声を出す事が楽しくなったきた。吐く息を調節する事で、どんどん高い声がだせるようになる。これまで音域が狭く1本調子だった自分が、高い声を出せている事に驚く。更に先生が、「音は合ってますよ、どこが音痴ですか」と励まして下さるので嬉しさが増す。 
 
2回目は、発生練習の後で里の秋を歌ってみた。歌える歌は小学校時代に授業で習った唱歌以外ない。それすら歌詞があやふやであったが、先生の指導で3番まで歌い終える事ができた。
 
帰り道は歩きながら歌い、家に着いてもずっと歌っていた。これまで、歌うのを封印してきた事を残念に思った。この国は、大変な歌姫を発掘しそこねたのではないかとすら思えた。たった2度のレッスンで、木に登ったブタがさらに天まで駆け昇ろうかとの勢いであった。だが、携帯のボイスメモで録音してみれば、道ははるかかなたであった。
 
3回目からは、イタリア語のレッスンもお願いしてみた。旅行に行くときのちょっとした会話が目的だ。小さな街を訪れる時に備えて、最低限の語学を学んでおきたかった。
 
料金の安さに2時間続けてのレッスンをお願いしたかったが、希望日には空がなく、1時間で半々づつ教えて頂くことにした。独学では、どのような場面でどう使えばいいのかがよく解らないが、的確な指導に俄然やる気も高まる。
 
いい声が出せるようレッスンの日に合わせて体調を整え、心弾ませて出かけて行く。終了後は一段と気持ちが高揚し、またもや埋もれた歌姫気取りでバス停までの道を歌いながら歩く。寄らば聞かせようという心意気だ。ついこの間までは、人前でハミングすらしなかった自分を思えば、我ながら変化に驚く。 
 
不得手と思って敬遠してきた事でも、挑戦してみると別の世界が広がるから不思議だ。そして、生きている事が本当に素晴らしいと思えてくる。日々の暮らしで意に沿わない事は多々あると思う。だが自分の見方次第、立ち位置次第で状況を変える事ができる。もしくは楽しい時間を持つ事で、辛い思いを乗り切る事ができる。
 
ボイストレーニングは、心身の健康法としても優れている。元気がない人には特にお勧めだ。始めて良かったと思いながら、今日も自主レッスンに余念がない。