照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

大根の日? 畑のある風景 調布・深大寺

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深大寺周辺の畑
 
ボイストレーニングの日、バスを降りていつもとは違う角を曲がってみる。住宅地に隣接して所々に畑がある。キャベツやネギを見ながら歩いて行くと、立派な葉付き大根を前カゴや荷台に積んだ自転車が何台も通り過ぎて行く。深大寺東町周辺は大根の日なのかと思いながら、誰かに尋ねる事もなくスタジオへ向かっていた。
 
レッスンを終えた帰り道、またもや数台の大根満載の自転車とすれ違う。尚も歩いて行くと、門の側でこれまた沢山の大根を自転車に載せたたまま立ち話している人がいた。
 
どうにも気になるので聞いてみたところ、農家から借りた畑で農協が育てた大根を、自由に取らせてくれる日だという。楽しそうだ。行ってみたいという気が起こる。でも、近隣住民ではないうえに、もし参加できたとしても、バスと電車を二度乗り変える身に大きな大根はやや手に余る。場所も知らない大根畑まで行くのは諦める。
 
バスに乗車してからも、この時期の大根料理のあれこれに頭を巡らせていた。おでんにふろふき大根、豚大根におろし和え、もちろんスープ類にも最適だ。葉はジャコと炒めたら美味しそう。それともふりかけにしようか。他人の大根から想像が尽きない。
 
数年前深大寺を訪れた時、調布方面から歩いて行った事があった。住宅地の側に田圃があるのを見つけ、その意外さに驚いた事を思いだした。今でもあの風景は残されているのだろうか。このような地域に住むのもいいかなと、大根から想いは広がってゆく。
 
だが電車に揺られている内に、時折歩く分にはいいけれど、日々通勤するには多少不便かもしれないと現実に戻る。
 
それにしても大根の日って、童話の世界への入り口のようで何だか愉快だ。旅人が初めて訪れた町で、出会う人すべてが大根を抱えているところから始まるお話なんて愉快だ。どんな場所でも感じ方次第で、あちこちに楽しみを見出せる。これも私の小さな旅。VIVA大根の日!