照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

宮崎の味処 宮崎の旅 最終回

 
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枇杷の生花
 

ランチにお勧め・Cafe 皇宮の森

皇宮神社の真裏にあるこちらのお店は、和風の家をレストランに改造して母娘でなさっている。お母様の時は和風のお料理、メキシコ留学経験のある娘さんの時はメキシコ料理になる。予約当日に伺ってからのお楽しみだ。
 
私と友人がランチを頂いた時は、お母様の日であった。柿の葉寿司をメインにして、小鉢があれこれ並ぶ。それ以外にも、自家製からすみスパゲッティを試食にどうぞとか、煮物とかオマケが出される。娘さん手作りの焼き菓子と飲み物が付いて千円は驚きの値段だ。
 
満腹で動けなくなるのを承知で、おもてなしの心意気が嬉しく完食した。慌てて席を立つ必要もなく、ゆっくり居心地の良い部屋で女将さんとおしゃべりするのも楽しい。(3年前の5月に訪問)
 
夕食のお勧め・ふじ木
こちらの店は、予約の電話の時点で感じが良かった。車の都合で遅れるかもしれないと伝えると、大丈夫ですから気をつけてお越し下さいの一言が嬉しい。
 
幸い遅れる事もなく店に入った途端、女将とご主人の温かい笑顔があった。予めコースをお願いしていたので、先ずは生ビールを頼む。さほど広くはない店内に、器類が工夫して収納されている。
 
接客担当の若く清楚な女性2名が、無駄なくキビキビと狭いカウンター内から店内へと立ち働いていた。今時よくこのような方々を見つけたものと感心していると、長男のお嫁さんに長女とのことで納得がいく。
 
ご主人はこちらの箸の進み具合をさりげなく確かめながら、適宜に料理を出してくれるがそのタイミングが良い。どれも美味しい。こんなデリケートな蓴菜初めてとつるりと頂く。皿や小鉢が出される度に感激一入で、食通から程遠い私でも、これまでの物との違いが解る。
 
出された途端に口へ運ぶ、美味しいの繰り返しだ。高知の藤のやさんでも感じた事だが、生命を活かしきるという思いが味に現れている。それを頂ける幸せに感謝する。
 
ビールからお酒に切り替えようとして質問すれば、酒担当である長女のお婿さんがいろいろ相談に乗ってくれる。かなり熱心に探求なさっていて、酒米にも醸造所にも詳しく頼もしい。
 
連れは、山口・はつもみぢの原田をお願いする。私も少し味見させてもらう。極上だ。我ながら語彙の少なさが哀しいが、各自で味わって自分なりの言葉を探して頂くよりしょうがない。好き好きもあるだろうが、一度試す価値はある。
 
無口かと思われたご主人も、料理が一段落すると、素材についての問いに丁寧に答えて下さる。今はお婿さんに任せているが、当然ながらお酒にも詳しい。
 
この店で、飫肥の焼酎・杜氏潤平を教わった。たまたま目に付いた瓶について伺うと、なみなみと注いだグラスをサービスしてくれた。高価なその一杯を、連れは恐縮しつつ頂く。私も再び味見させてもらう。焼酎には全く馴染みの無い身にも美味しい。(今年5月に訪問)
 
宮崎には、心で感じる人だけに解るあらゆる物がある。土地柄の良い所には良い人がいると、心底実感する場所だ。自分の足で歩き、自分の目をカメラにして覗いて欲しい。その土地を味わって欲しい。宮崎に限った事ではなく、日本はもとより世界もを、誰かの評価ではなく自分で確かめて欲しい。
 
モニュメントの大小、街の規模が自分の思惑と違っても、自分だけが感じる何かを見出せるはずだ。それを見つけ出す事が出来たら、どれほど豊かな旅になるだろう。初めての街で、門を曲がったその先にワクワクが待っているかもしれない。私はいつでも、そのように旅したい。
 
*今回ご紹介してないが、日南海岸沿いには、青島や鵜戸神宮もある。道の駅フェニックス前から見る風景も素晴らしい。空港からレンタカーで、飫肥と合わせて周るのもお勧め。私も未経験ながらもっと先には、芋洗う猿で知られた幸島や野生馬がいる都井岬がある。どうぞご自分の旅を!
 
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道の駅フェニックス前から