照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ぐるっと阿蘇 その1〜お昼は囲炉裏端で田楽を

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 赤い色の特急  赤水駅にて
 
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草千里から望む阿蘇山
 
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囲炉裏で田楽
 
 今年の1月下旬阿蘇へ行った。長崎から博多、熊本を旅し、阿蘇へは車で行くという人の計画に、こんな機会はないと便乗させてもらった。
 
私は仕事を終えてから、最終便で熊本入りした。熊本へは前年の10月に訪れていたが、阿蘇は初めてである。阿蘇山周辺をぐるっと巡るのは楽しそうで期待が湧く。 
 
熊本から大分行の特急に乗車する。立野からは、スイッチバック式で急勾配を登る。機関車トーマスが、ウンウンと踏ん張りながら山肌を引っ張ってくれているイメージが湧いて愉快になる。東京にいるとなかなか経験できない感覚だ。
 
登りきると急に視界が開け、遠くに外輪山が見えてくる。熊本から約1時間で赤水に到着だ。ここで降りるのは私たちだけだ。予約していたレンタカーの営業所まで行く間も、静かというかむしろ閑散としている。
 
阿蘇山は噴火のため傍までは近寄れないので、草千里から眺める。数日前に降った雪も所々に残っている。長く外にいると寒いので、次は高森町の方へと向かう。
 
こちら方面へは車も少なく、快適に山道を下ってゆく。お昼は、高森田楽保存会という名の店で田楽を頂く。周辺には似たような名前の店がいろいろあるが、それほど変りはないだろう。
 
囲炉裏端で田楽が焼けるのをじっくりと待つのだが、田舎の家をそのまま使用しているため部屋が広くやや寒い。石油ストーブもあるが、温かさが部屋中にはいき渡らない。この時期は客も少なく落ち着けるが、もう少し暖かい季節の方がいいかもしれない。
 
先に出された焼き油揚げを食べ終えると、手持無沙汰になる。田楽が焼けるのが待ち遠しく、豆腐や里芋に手を出してみるが、中はまだ冷たい。近すぎると焦げるし、遠すぎると中まで温まらないので、置く場所の加減が難しい。
 
お茶を飲みながらのんびり構えるよりないのだが、意識はひたすら田楽に集中してしまう。ようやく火の通った田楽に、さらに味噌ダレをつけて頂く。香ばしく美味しい。とうきびご飯とだご汁で身体も温まる。見た目以上に満腹感のある田楽コースに、ごちそうさまでしたと挨拶して席を立つ。
その2へ続く