ぐるっと阿蘇 その1〜お昼は囲炉裏端で田楽を
草千里から望む阿蘇山
囲炉裏で田楽
熊本から大分行の特急に乗車する。立野からは、スイッチバック式で急勾配を登る。機関車トーマスが、ウンウンと踏ん張りながら山肌を引っ張ってくれているイメージが湧いて愉快になる。東京にいるとなかなか経験できない感覚だ。
登りきると急に視界が開け、遠くに外輪山が見えてくる。熊本から約1時間で赤水に到着だ。ここで降りるのは私たちだけだ。予約していたレンタカーの営業所まで行く間も、静かというかむしろ閑散としている。
阿蘇山は噴火のため傍までは近寄れないので、草千里から眺める。数日前に降った雪も所々に残っている。長く外にいると寒いので、次は高森町の方へと向かう。
こちら方面へは車も少なく、快適に山道を下ってゆく。お昼は、高森田楽保存会という名の店で田楽を頂く。周辺には似たような名前の店がいろいろあるが、それほど変りはないだろう。
囲炉裏端で田楽が焼けるのをじっくりと待つのだが、田舎の家をそのまま使用しているため部屋が広くやや寒い。石油ストーブもあるが、温かさが部屋中にはいき渡らない。この時期は客も少なく落ち着けるが、もう少し暖かい季節の方がいいかもしれない。
先に出された焼き油揚げを食べ終えると、手持無沙汰になる。田楽が焼けるのが待ち遠しく、豆腐や里芋に手を出してみるが、中はまだ冷たい。近すぎると焦げるし、遠すぎると中まで温まらないので、置く場所の加減が難しい。
お茶を飲みながらのんびり構えるよりないのだが、意識はひたすら田楽に集中してしまう。ようやく火の通った田楽に、さらに味噌ダレをつけて頂く。香ばしく美味しい。とうきびご飯とだご汁で身体も温まる。見た目以上に満腹感のある田楽コースに、ごちそうさまでしたと挨拶して席を立つ。
その2へ続く