照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

私にとっての旅

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ルンビニ公園のオブジェ

時々、私は旅に何を求めているのだろうと思う事がある。一時的に、自分の置かれている状況から抜け出すためだろうか。それとも単に、未知への好奇心であろうか。

旅のスタイルは人それぞれ、目的によって異なる。言ってみれば価値観の問題だ。例えば自分の目的のみに特化して周りたい人、できるだけ多くの国を訪れたい人、気に入った場所を繰り返し訪れたい人、などなどさまざまだ。限られた時間と予算の中で、どちらかといえば私は繰り返し派だ。

私はこれまで、美術館巡りを主にした旅が多かったが、これからは街歩きをメインにしたい。散歩がてら、もしくはカフェやレストラン、公園のベンチに座って、その国の人々の暮らしの一端を眺めていたい。気が向いたらちょこちょこと観光名所や遺跡巡りなどするのもいい。一度に数箇所まとめて回るのは、行ったという記憶だけに留まりがちなので自分には向かない。

まだまだ未知の国や街の方が断然多いが、可能ならばこれからは、かつて訪れた国や街を再訪したい。今までに、複数回訪れた国や街もいくつかあるが、再訪できていない場所もまた多い。短い休暇での旅行のため、通常は1都市に滞在するようにしている。移動する場合でも、1都市2日以上の連泊にするようにしているが、1泊しかできなかった街もある。そのような街は、優先的に再訪リストに載せたい。 

なぜ再訪したいかと言えば、1度だけでは街の感じが掴みにくいからだ。2度訪れたとしても、ほんの数日間ではもちろん何も解らないだろう。だが、人の装いや語らう姿、店の構えや品揃い、屋台の物売りや通りの様子などから、その街の雰囲気を感じ、その街の貌を垣間見る事ができればと思う。自国や他国と比較しようとの意図などさらさらなく、そのような高尚な事など無論出来ない。

ただ見るだけ。その土地で生まれた人、もしくは暮らした人が残した本や音楽や絵を想いながら、その作品が生まれた土壌を感じたいだけ。私にはそれが楽しいし、それらを求めて旅しているのかなとも思う。そのためにも、訪れる国の歴史や文化をもう少し自分の物としておきたい。