照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

呼吸法は健康の基礎

大阿闍梨酒井雄哉師は、歩くのは呼吸法と言われる。(息する呼吸と身体の動きと気持ちが一つにならないと歩けない。呼吸が乱れている時に歩くのは無理。三つのバランスが崩れると健康も崩れる。)という事だ。

 呼吸法が健康の基礎とはよく言われる。だが最近は、病気でもないのに呼吸が浅い人が増えているという。それは身体の不調へとつながる。逆に呼吸が深くなるだけで身体の調子が良くなるケースがあるという。

 ボイストレーニングでも、呼吸法の大切さを言われる。レッスン初日に先生から、声はどのように出しますかと聞かれたが、そのような事を考えたこともなかった私はぽかんとしてしまった。挙句、「普通にだします」と、答えにもならない事を言っていた。

 先生は簡単な人体図を描いて、私にも解るように息のしくみから丁寧に説明して下さった。小学生の時に教わる事らしいが、全く記憶になく、「私、習っていないかもしれません」と余計なことまで付け加えてしまった。まったくもって、音痴なうえに無知な私であった。

 この日から私は、呼吸を意識するようになった。良い声を出すためには、横隔膜を動かすことが最重要であるが、こればかりは練習しないと、なかなか「普通にします」とはいかない。そのうちに、これは健康法としても最適なのではないかと、実感するようになった。

 呼吸の浅い人は、横隔膜の動きが悪いという。胸やおなかが力んでいたり、姿勢が悪いとうまくいかないそうだ。先生からも、姿勢はたびたび指摘される。レッスンの時ばかりではなく、日頃から姿勢に気をつけ、呼吸を意識していないと良い声がでない。つまり良い声を出すように訓練していれば、自ずと健康になるということだ。

 呼吸を意識するだけで、身体の調子が良くなるというのは、私には発見であった。既にやられている方もたくさんいらっしゃると思うが、もし、まだという方にはぜひお勧めしたい。身体の調子が良くなったうえ、歌まで上手くなるなんて素敵な健康法だ。