照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

スキー初心者の頃 恐怖心の克服 その1

若い頃、苗場より人も少ないみつまたスキー場(現在のかぐらスキー場みつまたエリア)が気に入ってよく行っていた。人が少ない分コースも少なく、ゲレンデまでは麓からロープウェイで登って行く。初心者の私は、ゆるい斜面のコースをのんびり滑っていた。転ばずに下まで滑れるだけで嬉しかった。言うなれば、下手なだけで、それ以外のゲレンデは私には無理であった。

滑るよりも、リフトに乗って上まで行く間、回りの山や木々を眺めるのが楽しかった。宿り木を見たのも初めてであった。注意深く観察すると、小動物の足跡なども見られた。森や林の中に分け入って、散歩するように滑るクロスカントリースキーの方が面白そうにも思われた。だがそのうち、アルペンスキーが面白くなるとすっかり忘れてしまい、結局習う事はなかった。

食事する場所もちょっとおしゃれで、その頃には珍しくピザなどもあった。当時はどのスキー場でも、ゲレンデ内の食事処は、地方食堂という雰囲気が濃厚であった。現在は、日本全国どこへ行っても、むしろそのような店を探す方が難しいだろう。ゲレンデ内にユーミンの曲が流れるもっと前の事だ。居心地の良いロッジ風の店内で、連れが滑っている間、のんびり派の私はたっぷり休憩していた。上手になりたいと欲が出て、練習し始めるのは、もう少し滑れるようになってからであった。

ナイター設備がなかった頃で、ゲレンデ終了時間は早かった。そろそろ下へ降りようとした時、ロープウェイが故障したので、滑って下山して下さいというアナウンスがあった。
その2へ続く