照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

名古屋での読書会2月 その3

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岐阜県立美術館前にて

今回の読書会は、主宰される吉原さんを含め4人であった。2名は前回ご一緒した方々と初回から参加されている方たちとのことだ。I さんもMちゃんも、未知な事に真摯に向かい、知ろうとする努力が強い方たちで、私にとっては新鮮な出会いであった。

これまで馴染みのなかったイスラム文化やISについて、吉原さんの分かり易い概説から始まった。日本語教師として日頃外国の方々と接しておられる経験からの、異文化に対するお話なども間に挟まれたりと、飽きさせずに興味を引いてゆく。それでいていつの間にか、主題に沿って締めくくる巧みさに関心する。

人々の関心が冷めないうちにと、今回、井筒俊彦さんの本を取り上げたとの事だが、全くタイムリーであった。私だって、この読書会がなければ手に取らなかった。おかげで、読書会までにこの本と併せて3冊、大急ぎながら読んで、イスラム文化について一通りの理解はできた。

宗教についても、改めて考えさせられる。吉原さんによると、外国の方々には、日本のように森羅万象に神が宿るという考えは理解しにくいそうだ。確かに近代国家で、滝や山が御神体になっている国は少ないだろう。オーストラリアのエアーズロックの例などもあるが、次は自然信仰へも関心が広がる。自分一人で本を読んでいるだけでは、思いつかない事だ。

それにしても、外国人からみた日本の不思議というのは、日頃当たり前と、日本人が意識すらしない事柄であったりと面白い。この辺のお話を伺えるのも、旅にでも出ない限り外国の方々と接する機会などない私からすれば、この読書会の魅力だ。

前回も感じた事だが、吉原さんの主宰される読書会に参加される皆さんは、何とも清々しく、自分が浄化される思いがする。気取りも飾りもなく、ご一緒していて心がとても楽なのだ。主宰される方の心遣いが反映されているにしても、よくこれだけ感じの良い方ばかり集うものと感心する。

終わってから、吉原さんと食事をご一緒しながら、読書会とはまた異なる貴重な時間を過ごした。今回も行って良かったと、しみじみ思いながら帰京する。また機会があったら、ぜひ名古屋へ伺いたい。それにしても、行きも帰りも、10分間隔の新幹線はほぼ満席で驚く。