照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

週末の夜はギネスで

金曜の夜は、一週間お疲れ様とギネスで自分を労う。ギネスを苦手とする人は多いが、私の一番好きなビールだ。私もかつてはビールを好まず、特に泡が苦手であった。だが、ギネスのクリーミーな泡に出会った途端、大好きになった。それ以来、どこへ行ってもギネスがあれば迷わずオーダーする。

ハワイのノースショアへ行った折も、メニューを見た途端、先ずはギネスを頼んだ。おつまみは、ガーリックシュリンプと枝豆だ。枝豆には、南の島らしくチリソースがかかっていた。豆自体が美味しいので、塩茹ででも味わってみたいと思った。

ピリッと辛い枝豆を食べながら、かつてセミナーに行った折、ビールには枝豆でしょうと強固に主張する人がいたのを思い出した。話す力か何かがテーマのセミナーで、居酒屋の場面で、店員が客にオーダーを取る時の会話に枝豆がでてきた。それは単なる例としてテキストに書かれていたのだが、その方はなぜかこだわり続けていた。

急拵えのグループのリーダーに指名されて、各グループで話し合ったことを発表する段になっても、やや趣旨から外れたビールには枝豆を繰り返していた。なぜそれほどこだわるのか、むしろそちらに興味が湧いたが、深追いはしなかった。

このセミナーは、会社員として基本的な事を学ぶため、会社から全員が強制的に受講させられていた。さほど役に立つとも思えず、レポートを提出し終えたところで全て忘れてしまったが、この件だけは何時迄も覚えている。世の中には、いろいろな人がいると記憶に残った。

それにしても、枝豆は塩茹でに限るとか何とか、茹で方や塩加減にもこだわりはあるのだろうかとふと思った。チリソースがかかった枝豆には、駄目出しをするのかななどと思いながら、一人ギネスを前にハワイの海を眺めていたのを思い出す。

ダブリンのギネスストアハウスで飲んだギネスも、美味しかった。ギネスは、注ぐ人によっても味が違う。本当に美味しいギネスに出会ったら、皆大好きになるに違いない。私の一週間は、こうしてギネスで締めくくられる。