照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

絵に描いた餅で大ゲンカ

宝クジを買った親が、当たるかどうか判らない内から使い道で大ゲンカした話を、息子さんがラジオに投稿していたのを聞き笑ってしまった。ところがその数日後、似たような事が同僚にも起きた。こちらは、笑い話には、シリアス過ぎる。

家を売って老母を施設に入所させる話が、兄弟でまとまった事が発端だ。同僚は二人兄弟の弟で、父亡き後、一人でずっと母親の面倒を見てきた。兄は結婚後、やや離れた場所にマンションを購入して住んでいる。

母親はだいぶ前から視力が衰え、一人では外出もままならなくなっていた。そこへ認知症の症状も出て、介護の問題が持ち上がった。兄は、妻の親の介護もあるので、引き取れないという。同僚も、帰宅が遅く、時々出張もある。そこで、老母への相談は無しに、兄弟で施設入所の方向で話がまとまった。

家を売りに出す前に、施設入所の費用を除いた残りのお金の取り分を巡って大ゲンカとなり、同僚は目の回りに大きなアザを作って出勤してきた。これまで兄は、父親、母親の入院時にも費用を分担せず、今尚、母親の生活費は弟任せである。同僚からすれば、兄に渡すお金は無いとの思いがある。兄にすれば、住宅ローンと子供二人の教育費で、権利のある物は少しでも貰いたい心境である。

外野がつべこべ言う話ではないが、お母さんに黙って家を売る相談はまずいよと同僚に同情しながらも、感想を伝えた。それに、施設に入れたところ症状が急速に悪化したケースも教えた。今は、同僚が不在の時でも、介護サービスを利用しながら自宅で暮らせている。認知症というが、同僚宛の電話がかかってき時など、きれいな字できちんとしたメモも残せる。ダメ押しのように、施設に入所した場合、お金が予想以上にかかるよと、以前、退職する人が挨拶に来た時に聞いた話を教えた。

それ以後、家を処分する話は立ち消えとなっている。配分の問題が大きいとも思うが、施設入所についても考え直しているようだ。昨日取り上げた長尾先生のブログでも、認知症の人も自宅で生活できるので、できれば施設に入所させない方がいいと書いておられる。

絵に描いた餅でケンカするのは、宝クジの使途くらいに留めておいた方がいい。介護される人不在の介護問題が絡んでくると、聞く方も複雑な思いがする。仲良しの兄弟も、長ずるにつれそれぞれの事情が出てきて、不和になるのも一瞬だ。世間でよく聞く相続争いにも、個々の思惑があるのだろう。それにしても、欲は恐ろしいとしみじみ考えさせられた出来事であった。