照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

母親こそゆとりの時間が必要

子どもが幼い時期こそ、母親にゆとりの時間が必要だ。それは子どものためでもある。育児休業中でも専業主婦でも、一日中子どもとだけ過ごしているうちに、次第に閉塞感を覚える。何か世の中から取り残されている感すらでてくる。そんな時こそ、誰かに預けて自分の時間を過ごす必要がある。

子どもが産まれてしばらくは、可愛くて夢中になる。私も、世の中で一番大切な、我が命に代えても守りたい者という思いでべったりしていた。それがある時、今は亡き母に、子どもがどんなに可愛くても、夫を疎かにしてはいけないと言われた。また、自分を大事にするようにとも言われた。

今思えば、夫ばかりか、自分すら眼中になかった。全てが子ども中心の生活であった。母は、どんなに大事でも子どもと距離を置くよう諌めてくれたと、今はわかる。

母子一体となることの弊害はよく言われてきたが、母親が自分の時間を過ごすことで、それを防ぐこともできる。心にゆとりがあれば、子どもを客観視することもできる。手が掛かり、親の意のままにならない幼い者への見方も変わってくる。子どもは、親とは別の人格という当たり前のことにも気づく。それは、子ども側にとってもいいことだ。

電車の中で幼い者たちに出会うたび、子どもは未来だと思う。笑いかけると、小さなほっぺがニコッと広がる。そんな笑顔を見ながら、どの子も健やかに育ってほしいと心から祈る。そのためにも、母親がゆとりの時間を過ごすことができるようにと願う。