照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

花粉症がピタリと治ったある一例

花粉症で悩んでいた同僚が、一時的に別部署へ異動した日以降、ピタリと症状が治まってしまった。その直前まで、人に先駆けて、マスクの下で鼻にティッシュを詰めたりしていたのにと驚く。例年、目を痒がったり、ぼっこり腫らしたりと重症であったが、今回はその兆候も全くない。社内でマスクをする人たちが増え始めても、彼女はどこ吹く風だ。

花粉症について、小山内博著・『生活習慣病に克つ新常識』(新潮新書
P・88)では、「ある日を境に花粉に反応するようになったのは、大気汚染の影響も考えられますが、運動不足や刺激の少ない生活、老化や肥満などいろいろな要因が関与して、副腎のホルモンが低下したため、アレルギー反対を抑えられなくなったものと考えます」という。

自分の周り、殊に会社で花粉症の人たちを観察した結果、一定の傾向があるように常々感じていたが、10数年前、上記の本でこの記述を見つけ、裏づけられた思いであった。

更に、過剰な免疫を抑える働きがある、副腎皮質 ホルモンについて調べてみた。これはストレスに対抗するホルモンでもあるので、ストレスがかかると分泌されるが、ストレスが長時間続くと、副腎が疲弊するのでホルモン分泌が弱まるという。ストレスの加減が難しいが、適度な刺激なら有効ということになる。

同僚の場合、仕事が変わったことによる緊張感が適度な刺激、つまりストレスとなり、自前の副腎皮質ホルモンが分泌するようになったと考えられる。だが通常は、このように適度な環境の変化はさほどないため、自分で意識的に作り出すしかない。

上記の本では、「冷水浴によって副腎を賦活し、ホルモンの分泌が増加すれば、かなりアレルギー反対を抑える手助けになります」(P・88)と説く。ちなみに私は、この本を読んで以来、水シャワーを続けている。血行が良くなり、皮質も鍛えられるせいか、よほどのことがない限り、風邪とも無縁だ。おかげさまで、未だ花粉症にもなってはいない。

花粉症を国民病と呼ぶほど沢山の人が罹っている現在、まるで逃れようがないかのように捉えず、今一度、自分の生活を見直すことも大事だと思う。歳を取ると鈍感になるから症状が和らぐとか、花粉が体内で一定量に達すると発症するとか、巷で言われているあれこれも、私にはかなり疑問だ。ピタリと症状が治まった同僚の場合、アラフォーだ。また、社内には、50代後半に発症した人もいる。この場合は、一定量説よりは、老化による副腎機能の低下に原因がありそうだ。

何れにせよ、薬に頼らず、自前の副腎皮質ホルモンの活性化を図ってはどうだろうか。対処療法ばかりに目を向けず、自分の身体は自分で守ると、意識を変えたい。人には、適度な刺激も必要だ。