照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

できない理由よりはやるための方法を探して

何かを始めたいと言いながら、結局やらずじまいの人は、本気でやりたいという思いがないだけだ。もし本気でやろうと考えた事なら、できる方法を探しだすはずだ。できない理由なんて、誰にでもたくさんある。壁のように立ちはだかる困難があろうとも、どうにかしようと思えば必ず道は開ける。
 
10日くらい前だったかNHKラジオで、90時間ラジオという番組をやっていて、私はたまたま日曜日の夕方に放送を聞いた。そこで、日本も日本人も知らないアフリカの田舎に住む少年が、独学で日本語を学んだ話を聞き驚いた。少年は、勉強が好きで成績も良かったが、家には彼に教育を受けさせるゆとりがなかった。少年は、自分で日本語講座のテキストを取り寄せ、サバンナで家畜の放牧をしながらラジオの短波放送を聴き独学したという。なぜ日本語に興味を持ったかというところは、残念ながら聞き逃した。
 
彼が、日本大使館へ日本語で書いた手紙を送ったことが縁となり、後に、日本の大使が彼の住む村を訪れることになった。その時、テレビの取材班もついて行き、彼の事がテレビで放映された。すると、それを見た都会に住む彼の従兄弟たちがお金を出し合い、彼を高校へ通わせてやることになった。現在彼は、大学院で学んでいるようだ。また、日本語クラブのような同好会も作って、日本語を学ぶ仲間も増やす活動などもしているという。
 
この話をラジオで聞きながら、夢を叶えるということについて改めて思った。本心からやりたいと願えば、どのような環境にいても、自分のできる手段で、実現することは可能だ。

この少年の場合は、学んだ事を活かし、日本大使館へ手紙を出す事を思いついた。その時点では、その後の展開など思いも及ばなかっただろう。だが、彼の手紙は、会ってみたいという興味を起こさせるほどしっかりした物であったに違いない。日本の大使が、首都から遠く離れた田舎に住む少年に会いに行くという話は、さらにテレビ局の人のアンテナに引っかかった。
 
物事が上手く運ぶ時には、このように良い方へとどんどん転がってゆく。ただ、かなりの話題性があるからといっても、少年の努力なしには進まない話でもある。この少年に比べれば、現在の日本はどれほど環境に恵まれていることだろう。やりたいと思えば、自分次第では何でもできる。できないのは、本気度が違うだけだ。そろそろ、できない理由を数えたてるのではなく、できる方法を探ってみたい。時は四月、新しい事を始めるには最適だ。