照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ローマ二日目 バチカン美術館へ

システィーナ礼拝堂は、4/23日・朝9時からの予約であったが、混雑を見越して35分ほど前に到着した。チケット無しの行列は、既にかなりの人数になっていた。私は、事前にネットで購入していたので、すんなり入れた。

荷物検査が終わると、窓口で、プリントアウトしていた予約券を入場券に変えてもらう。8時半に入場すると、すぐさまシスティーナ礼拝堂へ向かう。

その前に、ラファエルの「アテネの学堂」で足が止まる。昨年、ミラノのアンブロジアーナ美術館で、この絵の下書きを見て以来、ぜひ本作品を見たいと思っていたが、想像以上であった。人々の語らう様に、話声や息遣いまで聞こえてきそうな臨場感があって、まさに圧倒された。今日は、これだけで充分と思うほどであった。

だが、システィーナ礼拝堂に描かれた、ミケランジェロの「最後の審判」は、これまた圧巻であった。真正面の椅子に長いこと座って、ただただ見惚れていた。人が少ないのを幸いに、心ゆくまで堪能した。

ようやく立ち上がって、他の絵画を見ようとした頃には、物凄い人であった。それにしてもイタリアは、偉大な芸術家を輩出したおかげで、世界中からどれだけの人々を呼び寄せているのだろう。ミラノの、レオナルド・ダ・ヴィンチ作「最後の晩餐」もそうだが、その場所へ行かなければ見ることのできない作品が、どれほどの観光資源になっていることかと、改めて驚かされる。

絵画館ではまたもや、我彼の底力の違いを見せつけられるほどに、夥しい作品数であった。二時間以上かけて一通り回ると、すっかり草臥れてしまった。再度回る気力もなく、出口に向かった。

外へ出ると、朝よりは、更に凄まじいまでの行列であった。なぜみんな、予約せずくるのだろう、ここだけで、一日が終わってしまうのではないかと、余計な心配をしながら、サン・ピエトロ広場に向かう。