ローマ 朝の地下鉄は大混雑
ボルゲーゼ美術館 レモンが実る中庭
私が乗るのは到底無理と思われたが、ここで諦めるわけにはいかない。電車には、身体が半分も入っていないが、日々の通勤がとんでもないところで役立つ。絶対乗るという意思を持って、何とか身体をねじ込ませる。ドアが閉まるまでは、押し出されないよう、必死で持ちこたえた。乗れた人の方が少なかったと思う。そして、ここで安心していてはいけないと、スリに合わないようバッグをしっかりつかむ
たった3駅にも関わらず、予想外に時間がかかってしまった。ローマでは、十二分過ぎるくらいの余裕で丁度いい。駅から美術館までは、歩いて15分ほどだ。既に、チケット引き換えの列が出来ていたので、私も後に続く。
8時半きっかりにチケットオフィスが開くと、予約番号を伝えて入場券と変えてもらう。次は、財布やガイドブック以外は預けなければならないので、手荷物預かりの列に並ぶ。9時きっかりに、開館する。ここまでで、もう一仕事終えた気分であった。
何しろローマでは、スリがプロと聞いていたので、いつでもどこでも気がぬけない。歩く時も、バッグは車道側にはかけないよう気をつけている。物売りに話しかけられないよう早足で歩き、人の動作には絶えず気を配っているので、結構疲れる。怪しげに見える人ばかりか、小さな子や女子学生にも十分注意する。用心のため、サングラスは常にかけており、地下鉄の中でも外さない。そうすれば、人に視線を読まれない。
また、大事な物は、ズボンの内側に付けた手製の隠しポケットに入れておいた。これまで旅先で危ない目にあった事はないが、慣れてきて大丈夫と油断した頃が危ない。どれだけ用心してもいいくらいだと、隙を見せないよう自分に注意を促す。
ミラノ在住の留学生の方も、携帯を擦られた経験があるようで、しばしば、スリには気をつけるようツイッターで呟いている。旅行者なら尚更注意が必要だ。いつでも何処でも、自分の身を守るのは自分しかいない。