古代ローマの遺跡に広がる空想 フォロ・ロマーノ
アントニヌスとファウスティーナの神殿。階段と円柱が141年に建てられた神殿跡で、後の教会は中世に建てられた。
ヴェスタの神殿を守るヴェスタの巫女の家。その上方、左側の木々のある辺りが、ファルネーゼ庭園。そこからは、フォロ・ロマーノが一望でき、更にその向こうにそびえ立つlヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂までも見ることができる。
庭園側から望むフォロ・ロマーノ。中央奥の白い建物がヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂。左側の建物には、1471年に創設された世界最古のカピトリーニ美術館がある。3階のタプラリウムからの景色も素晴らしい。
タプラリウムから望むフォロ・ロマーノ
あちこちで見かける藤の花。ヴェスタの巫女の家にもたくさん咲いていた。古代の赤茶けた建物には、淡い藤の優しさがよく合っている。
中央左、大理石の三本柱は、カストルとボロックスの神殿、その後が火の神ヴェスタの神殿。こここは、火とかまどの神ヴェスタに捧げるために建てられた。
何もかもが巨大で、古代ローマの建築技術に驚嘆しながら、それぞれの神殿のかつての姿を想像してみる。三本の柱は、巨人の足のようにも見えて、 フォロ・ロマーノ全体を見守っているかのように思える。足元を、蟻の行列のように歩く人間を見ている巨人は、どれほど大きいのだろうと、ありもしないその姿を追ってみる。次々と、まったく関係のないことが浮かんでくるが、これは巨人ではなく、神殿跡なのだと空想に釘をさす。
入場券は、コロッセオ、フォロ・ロマーノ、パラティーノの丘が共通となっている。コロッセオだけ見学のつもりが、そこから見た風景に惹かれフォロ・ロマーノへと足を運んだが、実に素晴らしい所であった。先達となるはずのガイドブックもろくに読まない私は、あわや山門だけを見て帰るところであった。
それにしても、写真は一瞬で一月前に時間を巻き戻してくれる。下手な写真だが、パチパチ撮ってきたおかげで、二度目の美味しさを味わっている。これからは、もう少し写し方に工夫を凝らすべきだと、下手も極まれりの我が腕を反省している。