照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

認知症対策の一つ テレビをラジオに代えよう

若い世代のテレビ離れに伴い、番組は、より高齢者向けにシフトしているらしい。以前から、指摘されていたことだが、それが更に加速するとなると、テレビの前から動かなくなる高齢者がますます増えてしまうだろう。ひいてはそれが、認知症予備軍を増やすことにも繋がるのではないかと、危惧してしまう。

 
テレビは、疲れきって何も考えたくない時、怠惰な時間を過ごすにはぴったりだ。何でもそこそこ面白い。時事問題の丁寧な解説に頷き、健康番組では、医師の説明に納得し、見終えた後では、多少賢くなった気さえする。
 
だが大半の人は、流れてくる情報に対して受身だ。長い時間その前に座って、ただ感心したり面白がったりしているうちに、自らの考える力をも失っていく。そして、それに気づきさえしない。
 
数十年前に、テレビを「一億総白痴化」と看破した評論家がいた。だが、警鐘を鳴らされても、手頃な娯楽を提供してくれるテレビの前に、人々は引き寄せられ続けてきた。むしろ、テレビが生活の中心になってさえいた。
 
映像の力は強く、それまでラジオを聞きながら想像していた事柄でも、一瞬で理解できる。日本はおろか、世界中のさまざまな地域の情報に、いつか行こうと旅への夢が掻き立てられる。そしてテレビは、自分の世界を広げてくれる魔法の箱に見えてくる。
 
だがそこには、見せたいように番組を作るという、製作者の意図が色濃く反映されている。そしてテレビの前の人々は、自分で確かめる事なく、演出されたものを何でも事実だと思い込んでしまう。そうしているうちに、自分の想像力や思考力がいつの間にか失われてゆく。そこがテレビの一億総白痴化たる所以だろう。
 
人が頭を働かせなくなったら、かなりの確率で認知症が進むことは想像に難くない。自分が認知症になることを恐れる人は、今すぐテレビをラジオに代える方がいい。ラジオを聞く事で、脳が活性化するのは間違いない。私に脳科学の知識はないが、父をはじめ、元気な高齢者を観察して学んだことだ。
 
私がテレビを捨ててから既に3年以上経つが、全く不自由はない。天気予報などの必要な情報はラジオから得ている。ラジオを聞く事で、想像力が鍛えられる。高齢になっても元気で過ごすためには、足腰を鍛えるのと同様に頭も鍛える必要がある。早速今から、テレビをラジオに代えて、考えることを取り戻すそう。そうすれば、認知症になるかもとの不安も遠のくに違いない。