照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

思わぬ虫歯

半年に一度、歯の検診(お掃除)を受けていたので、大きな虫歯があるとは思いもしなかった。ところが今回、奥歯の被せてある部分が浮いているので虫歯の可能性があると、レントゲン写真を撮った。だが、被せ物を外さないと、どの程度の虫歯かはわからないとのことであった。

いつも以上に混んでいて、次回の予約は2週間後になったが、痛みも全くないので、別に気にもならなかった。これまでにも検診で、小さな虫歯が見つかることはあった。大抵は1、2度通えば、治療は終了した。歯のお掃除を兼ねた半年に一度の検診は、予防と小さなうちの虫歯処置が目的であった。

予約日にいざ被せ物を外すと、かなり大きな虫歯で、神経を抜く必要があると言われ驚いてしまった。これまで何のために検診を受けていたのかと、がっくりした。だが先生は、処置だけすると、説明を歯科衛生士さんに任せ、次の患者さんの治療に取り掛かってしまった。仮詰めをしている間の説明では、話すことも出来ず、口を開けたまま聞いていた。終わるとすぐに、エレベーターで1階下の受付まで案内される。

これまでの虫歯治療で、神経を抜いた経験はなかった。 できれば神経は残したいと思ったが、詳しく聞く間もなく受付にはすぐ着いてしまった。何が何だか解らず、もやもやしたまま次の予約を入れるが、これまた、10日後と遅い。お昼休みを利用しての歯医者通いだったので、既に時間が過ぎていることを気にしながら大急ぎで会社に戻った。

小さな虫歯と思いきや、いきなり神経を抜くほどの大虫歯宣告に、どうしても納得がいかず、別の歯科医院を探そうかとの思いが浮かんだ。会社で、同僚たちの通っている歯医者情報を集めるが、どれも今ひとつの気がした。駅から会社までには本当にたくさん、歯科医院の看板が目につく。私がここに通い始めたのは7年前で、会社の近所では3軒目だ。

悩んだ末、インターネットで探してみた。セコンドオピニオンという文字が目に留まった。歯医者でも、今はそのような相談を受けられることが私にとっては新鮮であった。

仮詰めをしただけで被せ物の型取りもまだだったので、次の予約はキャンセルにして、新たな歯科医院で治療をお願いすることにした。

結論から言うと、神経を抜かずに治療しましょうということになった。但し被せ物をした後でも、痛みが出たらすぐ来て下さいと言われたが、今のところ問題はない。

定期検診に通っていても、被せ物をしている場合は時々レントゲンでチェックをしなければ、検診が無意味になりますと言われた。その言葉通り、ここで、歯全体の様子をレントゲン撮影してもらったところ、別の被せ物をしている歯にも、小さな虫歯がある事が分かり、治療してもらった。被せ物を外して治療、型取りまでが一度、1週間後に出来上がった型を被せて終了と、それぞれ2回で済んだ。

定期検診に通っているからと、すっかり安心していたが、とんだところに落とし穴があった。被せ物をしている場合は、虫歯の有無が外からは分かりにくいので、時々のレントゲン写真で確認してもらうことが重要だ。歯の神経を抜くとはよく聞くことだが、やはり歯がもろくなるらしい。できれば、神経は残しておきたい。また、そのような事態を避けるためには、例え痛みがなくても、隠れた虫歯にまで気を配りたいと思った。