ちっちゃな楽しみは人生のアクセント
大きくなった希望のりんご
りんごの実が大きくなるのを、通勤の行き帰りばかりか、休みの日にも気にかけている。散歩の帰り道も、電車に乗ってシャッターチャンスを狙った。
それにしても、数十個の実がぜんぶ色づくのかが当面の問題だ。但し、私がその実を手にすることはない。でも気になる。何しろ私の、希望のりんごだ。そこに在るだけでいい。
公園のラベンダー
今の時期、散歩していると、あちこちでラベンダーを見かける。クチナシの強い香りと違って、側に居ただけでは分からない。鼻を近づけて、その微かな香りを楽しむ。私はこのような、奥ゆかしく自己を主張しない花が好きだ。このひっそり感に魅かれる。花粉を運んでくれる虫にだけ、その香りが届けば良いのだろう。人間は、そのおこぼれに与るだけ。
生きとし生けるもの、それぞれに我が種の保存に尽力し、朽ちてゆく。他に何を望むことありや。人だけが特別な存在と思うことこそ、大いなる勘違いであり、思い上がりである。りんごの実やラベンダーを眺めながら、柄にもないことが浮かんでくる。
それにしてもこのような些細なことが、人生を膨らませてくれる。世の中には、ちっちゃな楽しみが溢れている。気づくも見過ごすも、自分次第だ。
*おまけ情報
ところで私は、ラベンダーのごく小さな匂い袋を、予備のマスクの間に入れておく。そうすれば、マスクなどに元からついていた臭いが、ラベンダーの仄かな香りに変わって使いやすい。好みはさまざまなので、苦手な方もいらっしゃるだろう。でも、マスクの臭いが気になる方は、ラベンダーといわず好きな香りで、一度試してみる価値はある。