読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

宝探し?クリスマスの思い出

子ども
我が家のクリスマスプレゼントは、宝探しのようであった。まず子供たちそれぞれの枕元にお手紙がある。そこに書かれたヒントを手がかりに、自分で探しだす仕組みだ。これは、河合隼雄さんが子供時代の思い出として書いておられたことがヒントになった。面白そうと、多少のアレンジをして早速我が家でも取り入れた。
 
そろそろクリスマスプレゼントを用意しようかという時期になると、サンタさんが持ってくるものと固く信じていた子供たちから、欲しい物を探り出すのは一苦労であった。だが、準備してから気が変わられるのも困るので、あまり早くから買うわけにはいかない。もう大丈夫と安心していると、クリスマスが迫ってから急に別の物が欲しくなったりもして、こちらを慌てさせる。

そんな時、サンタさんは世界中の子供たちのところを回るのだから、もう用意しているかもしれないとか、あれこれ考え必死に説得を試みる。次は、隠し場所やお手紙の内容を考えて準備完了だ。
 
クリスマスイブは、ワクワクしてなかなか寝付かない子供たちを何とか寝かせ、気づかれないようにそっと枕元にお手紙を置く。お手紙には、プレゼントは三つありますと書かれている。

一つ目は、小さなお菓子の箱ですぐわかるところにある。次は、そのお菓子と一緒に置かれたメモにあるヒントを頼りに探す。決まって赤い長靴に入ったお菓子だ。三番目が本命で、これはなかなか難しい。押入れにある場合もあれば、机の下の奥の方にあることもある。親としても、その年により、いろいろ頭をひねる。ヒントを読み解くのがカギだ。といっても、子供向けだからそう難しくはない。
 
ある年のクリスマスの朝、興奮して早く目覚めてしまった子供たちが、電気をつけ、がさごそと探し始めた。隣の部屋で寝ている親も、目覚めてしまう。まだ5時だけどいいいかと思い、しばらく様子を見てから時計を確認すると、何と4時であった。既に2個目を発見して大はしゃぎしている子供たちに、今更寝るようにとも言えなくなってしまった。最後に欲しかった物を手にした子供たちの喜びようは最高潮で、こちらまで嬉しくなってくる。
 
サンタさんから来たお手紙を大事にしていた子供たちは、小学校4年くらいまで、サンタさんの存在を信じていた。「僕がこのお手紙を見せてもみんなは信じてくれないから、僕もサンタさんはいないと、学校では言ったんだ。でも、本当はいると思っているんだよ」と、ずいぶん可愛い事を言っていた。

それを聞いて、夢を壊したくないと考えた私は、「来年からは、プレゼントお断りしようか。だって世界中には、プレゼントを待っている小さな子供たちがたくさんいるから、サンタさんも大変でしょ。その代わり、家でプレゼント買ってあげるからね」と提案した。すると、すんなり受け入れられたのでほっとした。
 
ちなみに、サンタさんのお手紙は、子供たちが幼稚園の頃、そのようなサービスがあったのを利用した。何も知らない子供たちは、フィンランドから手紙が届いた時大喜びであった。手紙は親が手配したものだと種明かしをしても、もう失望しないだろう。

今のように、インターネットで何でも調べるのが当たり前の時代でなくて良かったと思う。そうでなければ、親の浅知恵などとっくに見破られていただろう。何とも無邪気な時代であった。それとも、子供たちはサンタさんの正体をとっくに知っていて、無邪気な親をそっとしておいてくれたのかもしれない。