照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

食休みは自分を労わる第一歩〜食後低血圧ということもある

先日、知人と食事した際、店から出てエレベーターの前まで行く間に、彼女の顔がみるみる蒼白になってしまった。エレベーターの前には、丁度椅子があって、彼女は倒れ込むようにそこに座った。折良く2脚あったので、私も座って落ち着くのを待った。

脳貧血かと思い、多少話もできるようになったところで、深呼吸するよう勧めた。何回か繰り返しているうちにだいぶ楽になったのか、僅かながら顔に血の気も戻ってきた。でも立ち上がるにはまだ早いと、そのままもうしばらく様子見をすることにした。

彼女によると、このような症状は若い頃からたまにあったが、この頃は以前より多くなったという。自分なりの分析では、空腹の時、炭水化物主体の食事を、かきこむように急いで摂った後に起こることが多いという。

この日はイタリアンで、ビールで喉を潤した後、前菜を頂きながら一杯の白ワインをゆっくりと味わった。炭水化物は食事の後半、彼女オーダーのイカ墨パスタと、私の青豆のリゾットをシェアしながら頂いて食事を終えた。彼女の、いつものパターンには当てはまらなかった。多分、疲れとアルコールによる変調だろうということになった。

歩けそうということで、エレベーターで下まで降りたところで、また具合が悪くなった。道路の反対側に喫茶店ルノアールが見えたのですぐさま入った。そこでコーヒーを飲みながら小一時間も休むと、すっかり元通りになった。

後で調べてみると、食後低血圧と解った。高齢者に多い症状だという。食後、食べた物を消化するため、血液が胃腸に集まってしまった結果、脳に血液が上手く回らないことが原因のようだ。だが、若い人でも、自律神経の乱れで起こることがあるという。

予防としては、ゆっくり食べることと、食後にコーヒーなどのカフェインを摂ること、そして、食事を終えてもすぐ席を立たないことだという。つまり、食後は牛のごとく過ごすのがポイントだ。

これからは、食後せかせかと動き回るのは止めよう。親が死んでも食休みとは、昔からよく言われるが、確かに理に適っている。同時に、正反対のような、食べてすぐ横になると牛になるという言葉もある。だが、今日からは牛のように過ごそう。これこそ、自分を大切にする第一歩だ。