照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

心落ち着く休日の午後ールドンとセザンヌに囲まれて


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私は、ポール・セザンヌオディロン・ルドンの絵を部屋に飾っている。といっても、どちらもカレンダーから切りとったものだ。

それは以前、年末に貰い手もなく残っていたのをたまたま見つけ、会社からもらってきた。部屋に物を置くのを好まない私は、カレンダーも卓上用で十分だ。だがその時は、絵が気に入ってもらってきた。

私はこれまで、展覧会などで好きな絵に出会っても、複製画を買おうと考えたことはない。買うのはせいぜい絵葉書くらいであった。それも手元に置くためではなく、用途通りハガキとして使った。もっともこの頃は、手紙を書くよりはメールになってしまったため、ハガキを買うこともなくなった。

ルドンの『長首花瓶の野の花』(オルセー美術館)は、額に入れて十数年来飾っている。音楽を聴きながら、寝転んで眺めているが、全く見飽きない。玄関には、ルドンの別の絵があるが、それもカレンダーの切り抜きだ。だが、額に入れると、ずいぶん引き立つ。それはある印刷会社の配布用で、複製画としても通用するほどよく色が出ており、さすがと関心した覚えがある。但し、本物のあのパステル画の味わいからは遠く隔たっている。

セザンヌの『テーブルの上のミルク差しと果物』(オスロ国立美術館)は、やや大きめなので、そのまま貼ってある。狭い部屋に、額は2つも要らない。こちらも、ノルウェーを訪れた際、実物を見ているので、絵の雰囲気が味わえればそれでいいと思っている。

ちなみに、どちらも、私が10代の頃から大好きな画家だ。世の中を知るにつれ、好きな画家も、作品もたくさん増えたが、やっぱりこの二人は、甲乙つけがたく一番だ。その画家の絵を、日々眺めていると、まことに心が満たされる。昨日は、そんな日曜日の午後であった。