照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

香川うどん巡りの旅ー徳島・脇町へ

谷川米穀店を出た後は、かりこ牛も草鞋を履いて歩いた峠を越えて、徳島県へ行く。

脇町へうだつの町並みを見に行くためだが、それにしても、7月末、偶然にもかりこ牛のことについて知ったばかりというのに、その道を辿ることになるとは少し嬉しい。かりこ牛が行なわれていた昭和の初め頃とは、道路事情も雲泥の差であろうが、まわりの雰囲気を感じることはできる。

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橋の欄干にかりこ牛 (真ん中辺り)

谷川米穀店の目印は、牛の絵がある橋と次男が言っても、気づきさえしなかった。開店を待つ間、下から橋を眺めていて、欄干に、背に俵を乗せた牛の絵があるのを見て、そう言えばと思い出した。

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辺り一帯は山 牛もお弁当持参で峠越え 

かりこ牛が通った峠はいくつかあるらしいが、ラジオでその話をしていたのは、たしかまんのう町の方であった。つまり、ちょうど話に出た峠を越えるということになる。うだつの町並みを見に行くことにしてよかったと、改めて思う。

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屋根の上・中央の白い部分がうだつ

ちなみにうだつとは、隣家との境界に設けられた袖壁で、最初は防火目的であったが、次第に装飾の要素が強くなったそうだ。うだつが上がらないの語源にもなったように、これを造るには相当なお金がかかる。うだつが上がるのは、まさに富の象徴という。

ナビを頼まれた私は、地図を勘違いして見ていたため、越えなくてもいい吉野川を、渡るよう指示を出してしまった。地図が難しくてと言い訳すると、頭を使うのが苦手なだけじゃないのと返ってきた。まったくごもっともで、地図を見るのが好きな割には、必要な時何の役にも立たず、まったく困ったナビさんの私だ。

日本で3番目に長い吉野川を、橋の上から眺めるのもまた旅の良さだ。だが、さほど遠回りにもならず、脇町に到着した。道の駅の案内があったので、車を停める。

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うだつの町並み

ここから、うだつの町並みが保存されている場所まで僅かだ。道の駅の2階はカフェになっている。他には、そば米雑炊の店が営業しているだけだ。麦だんごを買おうとした、川田光栄堂・うだつ店も閉まっていた。平日のためか、人もほとんど見当たらない。

麦だんごは、本店で購入した。ちなみに、この町では、旧暦の端午の節句に、各家庭で、麦だんごを作ったそうだ。今作っているのは、川田光栄堂さんくらいだ。

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上がさんきの葉にサンドされた麦だんご
下が中におこわが入った脇美人
*さんきは山帰来のことで、サルトリイバラの別名

食感はかなりもちもちで、台湾・九份で食べた草もちとよく似ている。あん無しとあずきあん入りがある。上下をさんきの葉で包む。これは、購入したらできるだけ早く食べた方がいい。さんきの葉が生地に張り付いて取るのに苦労した。

脇美人という、赤飯が入ったおまんじゅうも買ってみた。栗が少し乗っている。珍しい和菓子だ。

再び、かりこ牛が歩いた道を戻って、金比羅さんへ向かう。