照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

自分が望むことは自分の手で掴む

会社でのランチタイム、テレビ番組の話が発端となり、夢を叶えてあげると言われたら、どうしますかと問われた。私は即座に、自分が望むことは、自分で叶えるから特に無いと答えた。

とはいうものの、私の望みなど、人からすれば、まったく大したことではないかもしれない。だが、私にとっては、経済的に到底無理、万が一できたらいいなくらいに思っていたことが、すべて実現して以来、本気でそう思っている。

10数年前、新たな生活を始めるにあたり、まことにささやかな住まいを手に入れた。お金は全く無く、自分の生命保険を解約して頭金を作った。それ以降、私には、旅行や外食はおろか、服を新調することすら無縁と覚悟を決めた。

生活費は、将来受け取れるであろう少ない年金をベースにした。庵のような狭い部屋でも、自分で持とうと考えたのは、年金から、家賃までは無理と判断したからだ。

生活費と住宅ローン以外は、少しでも繰り上げ返済へ回そうと蓄えた。それが、購入して僅か数年で会社がなくなるという事態に遭遇、まったく暗澹としてしまった。

会社が消滅したら、パートの掛け持ちで、乗り切るしかない。年齢的に、正社員は難しそうであった。更に節約に勤めた。

それがいざ蓋を開けてみれば、新しい会社への移行が決まり、前組織にいた頃より、金運アップにも繋がった。だが、1年間は用心して、いつどのようになってもいいように、住宅ローンを完済、身軽にしておいた。

移行して2年目からは、それまで封印していた事へも、資金の配分をした。生活のベースは、相変わらず質素なままだが、時折の贅沢が仕事への励みとなった。

そして気づけば、自分にとって、夢のまた夢くらい遠くに感じられたことのすべてが、叶っていた。だが、これらを、特に強く願ったわけではなく、いつの間にかという感じで実現していた。

昔から私は、自分の手の届きそうもないことは、あまり夢見ないタイプだ。その代わり、できると思ったら、諦めずにやってみる。その積み重ねが結果として、自分の望むことは、自分の手で掴むとなった。

ちょっと大きく出てしまったが、私にできることなど、誰にでもできる。やるかやらないか、まさに自分次第。自分の夢に向かって、一歩踏み出してみませんか。