照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

やりたいことがあるけどー時間とお金がないは言い訳だ

時間があったら何でもできると考える人は多いが、それは幻想だ。むしろ時間に制約のある時の方が、やりたい事、気が進まない事に関わらず、何でもできたりする。それは、時間の有る無しではなく、自分が本当にやろうとしているかどうかの違いだからだ。
 
先月、長男夫妻と食事した折、「あれこれやりたいと言っている人は、結局言うだけだと思うよ」と、長男がまた言った。確かに、行動力のある人から見れば、何時まで経っても動かない人は、はがゆく感じられるのだろう。
 
そういえば同じセリフ、以前長男から発せられた以外にも、どこかで聞いたことがあると考えていて思い出した。『女ひとり、イスラム旅』(朝日文庫)の著者、常見藤代さんだ。
 
常見さんとは、あるカメラマンの講演会で初めてお会いした。講演会終了後、こじんまりした会場で、引き続き懇親会が行なわれた。丁度二人で話していた時、カメラマンの周りで質問していた人の声が耳に入った。
 
「いつか、自分も行ってみたいですね。そのうち時間ができたら・・」それは、あちこちを旅している人への憧れから出た言葉であった。だが、その言葉をとらえるなり常見さんが、「ああ言っている人って、絶対行けないと思うわ」と、小さくつぶやいた。
 
物静かな雰囲気の藤代さんと、そのスパッと断定した言い方が、意外に感じられた。だが、今年1月に発売された彼女の本を読んで、納得した。そこには、内気で友だちもいない自分を変えようと、インドネシアへ、初めてのひとり旅をした日からのことが綴られていた。
 
彼女もまた、行動する人だった。口に出すより先に、やろうと思った時点で、動き始めている。実際、行動する人は皆そうだ。単なる憧れや、夢物語のようなことは口にせず、やりたいと思ったことに真っ直ぐ向かってゆく。
 
もし、今本当にやりたいことがあれば、できない理由を書き出し、それらすべてをクリアするにはどうしたらいいか、真剣に考えるといい。簡単に諦めることなく、可能になる方法を探れば、きっと実現できるはずだ。先ず手始めに、今やりたいことリストを作って、トップにきたことをやってみよう。

『女ひとり、イスラム旅』の記事