照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

写真の撮り方マイルール

ここ1年位、目に入るものを何でもパチリとやるようになった私だが、以前は、よほど残したい景色以外は、写真に撮らなかった。

もともと写真は、撮るのも、撮られるのも苦手であったせいか、長いこと、印象に残る光景は、心に刻んでおけばいいと思っていた。

だが、ブログを書き始めてみると、文章だけよりは、やはり写真があった方が伝わりやすい。それでもしばらくは、イメージをフルに喚起させる文章には程遠いと自覚しているものの、なぜか写真には頼りたくなかった。

それが今や、180度変わって、まるでネタ探しの如くパチパチとやっている。それでも、日本国内でレストランに入った時は、料理を撮るにはまだ抵抗があって、余程の事がないとできない。但し外国では、かなり平気になっているが。そして先日は、写真を撮ることについて、改めて考えさせられた。

土曜の朝、ミャンマーから帰ってきた次男の旅話を聞いていた時だ。広いバガン遺跡内をレンタルバイクで回っていた時、タイヤがパンクしてしまった。困っていると、近くの畑にいたおじさんが寄ってきて、直してやると声をかけてくれた。

値段を聞くと、日本円換算で100円だったので、お願いして、一緒におじさんの家に行った。家にはおばさんも居て、修理を待つ間、お茶とお菓子を出してくれた。家屋内には、牛もいたらしい。

思わず、南部曲り家が連想されて、写真撮ったと聞くと、「いや、人の家だからね」と答える。私は、その言葉にハッとした。逆の立場になって考えれば、全く当たり前のこととよく分かる。例えお願いされたところで、いきなり家の中を撮られるのは、私だって嫌だ。

昨今は、素人カメラマンの非常識ぶりが、時々話題になったりする。自分の撮影を優先するあまり、立ち入り禁止場所へ入ったリ、木々の枝を切ってしまったリと、まったく自分勝手極まりない。そのニュースに眉を顰めていたはずが、気持ちの上では、私も同じになっていた。

これからは、ただ物珍しいとか、ユニークだからと、対象のことも考えず、何でもかんでも写真に収めるのは止めようと、心に決めた。少なくとも、人の心にズカズカ踏み入ってゆくような撮り方だけは慎みたい。

もちろんそこには、人だけではなく、さまざまな物や場所も含まれる。今後はそれを、写真の撮り方マイルールにするつもりだ。