照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

スペアリブから玉ねぎ、本へと連想は広がる

スペアリブの下ごしらえに、中位の玉ねぎ一個すりおろしたのだが、水分たっぷりで驚いた。これまで、丸ごとすりおろしたことはなかったので、単に知らなかっただけではあるが。そもそもスペアリブは、あまり肉の塊を食べない私のメニューにはなかった。

玉ねぎのすりおろしに、スペアリブを漬け込みながら、『Holes』(ルイス・サッカー著)という児童書のある場面が、突然思い出された。具合の悪いゼロを連れたスタンリーが、砂漠から逃げだして辿りついた神の親指という場所で、自生している玉ねぎを見つけ、渇きと飢えを凌ぐ箇所だ。

ゼロを山の上に連れてゆき水を飲ませる場面は、スタンリーの数代前のじいさんとマダムゼローニの約束を果たし、それまでののろいをとくことにつながる重要な箇所だ。

また二人は、玉ねぎを食べ続けたおかげで、毒トカゲが寄り付かず助かる。だが、玉ねぎしかないにしても、ちょっと食べづらいのではと、まったくストーリーに関係ないことがずっと頭に残っていた。もちろん話の展開には、玉ねぎが重要なのだ。

それが昨日、すりおろしてみて玉ねぎの水分の多さに気づき、いきなり納得してしまった。まして新玉ねぎなら、水分豊富なうえ甘みもあって、食べやすいだろう。

もしかすると、かつて砂漠が湖だった頃、玉ねぎ売りのサムは、その辺りから玉ねぎを持ってきていたのかもしれないと、また別のことが浮かんでくる。

この本は、英語ビギナーにおすすめの洋書と何かで見て買ったのだが、翻訳本は、講談社文庫にあるようだ。児童書とはいえ、時代背景なども考えて読むと、なかなか深さを感じる本だ。困難を乗り越えたスタンリーとゼロに待つ結末は、ややおとぎ話だが読後感が良い。

玉ねぎから、本の話になってしまったが、初スペアリブは上出来であった。おおざっぱなレシピは以下。

切り込みを入れたスペアリブを玉ねぎのすりおろしに15分漬け込む。次ぎに、そのままフライパンに入れ、水を少し足して20分蓋をして中火で煮込む。酒(なかったらワインも可)、醤油、砂糖、生姜すりおろし(レシピではニンニク)を適当に入れて、更に10から20分ほど煮込む。

砂糖、醤油は少なめに入れて、後で味見しながら調整する方がいい。最後は強火で、フライパンを揺すりながら水分を飛ばしたら出来上がり。さあどうぞ!