照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

バカヤロー三唱?ー笠間の悪態まつり

ラジオをつけたら、いきなり聞こえてきたバカヤローの声、何だろうとそのまま聞いていると、祭りのようだ。最後に、「では皆さんで、バカヤロー三唱を」という主催者の呼びかけに、笑い声も漏れる。

その後で、「バカヤロー、バカヤロー、大バカヤロー」と、皆で唱えて終了のようだ。こんな祭り初めて知った。早速調べてみると、日本三大奇祭の一つ、「悪態まつり」で、茨城県笠間市で毎年12月の第3日曜日に行われているという。ちなみに、今年は、昨日12/20に開催されたようだ。

笠間市のホームページによると、
"愛宕神社裏にある飯綱神社のお祭りで、旧暦11月14日に行われています。13人が白装束で天狗のかっこうをし、13天狗のほこらにお供え物をして回ります。この時に悪態(悪口)を言い合い、天狗に邪魔されながらお供え物を奪い合うという変わったお祭りです。このお供え物を奪い取った人は、幸せになれると言われています。昔は夜に行われていましたが、現在は昼間行われています。このようなお祭りは日本中でもめずらしく、日本三大奇祭の一つと言われています。"とのことだ。

江戸時代中期に、役人が、年貢米に苦しむ農民の不満を聞くために始められたという。但し、神様への悪口だけはいけないということで、悪態をつかれるのはもっぱら天狗だ。お供え物をして回りながら、ひたすら悪口に耐える。まっすぐ歩けバカヤローから、次第に、ありがとうバカヤローへ変化してゆくのも、聞いていて可笑しい。

また、天狗からお供え物を奪えたなら、良いことがあるそうだ。皆それを楽しみに来ているらしい。私は、音の風景という5分間のNHKのラジオ番組を偶然聞いたのだが、ナレーターは淡々と、これから争奪戦が始まりますと言っている。それも面白く感じられる。

それにしても、そんな仕打ちにバカヤローと叫びたいのは、むしろ天狗の方だろうとも思えるが、参拝者が、大っぴらにバカヤローと叫ぶ機会もまた捨てがたい。言葉の最後に、いちいちバカヤローをつけるのも可笑しい。どんな雰囲気か、一度くらいその場へ行ってみたい気もする。スカッとするのかな。

日本各地には、その土地ならではの楽しい祭りがまだまだあるのだろうか。これまでは、祭りとか、賑やかなことが苦手な私だったが、この頃は、興味の幅が広がってきた。いろいろな祭りを、訪ね歩きたいものだ。

参加すれば、何でも楽しくなってくるに違いない。遅ればせながら、何事へも食わず嫌い返上だ。昨日は、窓から差し込む光を浴びながら、うらうらとそんなことを考えていた。