照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ポルトガル12日目ーロカ岬で雄大さに感激の巻

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ロカ岬も、正直あまり期待はしていなかった。一応行ってみるか程度であったが、着いた途端、その雄大さに圧倒された。間抜けなことに私は、自分の中で、関東平野の最東端、犬吠埼くらいをイメージしていたのだ。

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だが、まったく違った。断崖を見下ろせば、大西洋から打ち寄せる波が、岩に砕け散る、その青と白のコンストラストの美しいこと。崖の上では、マツバボタンのような肉厚の植物が、辺り一面をびっしり覆っていて、花も咲いている。簡単な柵とロープがあるだけなので、皆さん崖の上まで行って写真を撮っている。私もロープをくぐって、その辺りを歩き回ってみる。

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「ここに地果て、海始まる」

「ここに地果て、海始まる」ポルトガルの詩人、カモンイスの詩の一節を刻んだ石碑に、感慨が湧く。まさに、地の果て、ユーラシア大陸の果てる場所なのだ。アジアの端の島国から来た私には、想像もつかないほどの光景に、ここに来なかったら、とんでもなく後悔するところであったと、しばし打たれていた。

次のバスは、下車してから1時間後だが、暑いので、バス停の日陰で待つことにした。シントラ行のバスも丁度出発するところであったが、予定通りカスカイス行を待つ。すると、バスは予定より20分も早く来た。時間まで待つのかと思えば、そのまま出発してしまった。うまくいけば、ベレンにも寄りたいと考えているこちらとしては有り難い。

結果として、このバスにして良かった。バスはどんどん下って行くので、山の上のシントラとは、風景が一変する。海を眺めながらのバス旅を、約30分あまり楽しんだら、カスカイスに到着だ。海辺の街らしく、ここでは、新鮮な魚介類を食べさせる店も多い。街の規模も、シントラに比べ、だいぶ大きな感じがする。

ここから、リスボンのカイス・ド・ソドレ駅までは約30分で、15分から20分おきに運行している。ロカ岬だけを目指すなら、こちら回りの方が便利そうだ。もしくは、こちらから、シントラ方面へ行っても良いかもしれない。私は、予定通り、ベレン駅で下車する。

ここリスボンでは、観光名所に、さすがですと、脱帽することしきりだ。ロカ岬同様、発見のモニュメントにも、ベレンの塔にも、ジェロニモス修道院にさえ、さほど関心がなかった。実際、行かなくてもいいやくらいの気持ちであったが、それら全てが覆された。何しろ私は、街歩きして、市電に乗って、それだけで楽しくてしょうがなかった。

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発見のモニュメント

建造物なんて、どうせつまらないだろうと、たかをくくっていた。それが大間違いであったとは、発見のモニュメントを遠くに認めてすぐに悟った。心が踊りだすほどワクワクして、急ぎ足で見に来たくらいだ。先頭に立つ、エンリケ航海王子にまず挨拶する。エレベーターで上れるようだが、中には入らなかった。

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ジェロニモス修道院

次にベレンの塔。これもなかなか素晴らしい。だが、ここでも、チケットを買う行列を目にして、写真だけにしておく。(*翌日再訪して、その行列はまったく短かったと判明)そして、ジェロニモス修道院を写真に収めて、またベレン駅へ戻る。これほど感激する自分にも、いささか驚く。結局、明日の朝一番に来ることにした。何しろ今日は、朝から8時間も動き回っているので、かなり疲れた。私らしからぬハードな観光だったが、大満足である。