読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

Kenと(バ)母ちゃんのバトルな日々ーエピソード1

Kenと母ちゃん
Kenはバリバリ日本人だ。iPhoneでSiriがなかなか日本名を認識できないため、便宜的にKenと呼ぶことにしたのだが、いつの間にか日常的な呼び名になってしまった。ところで(バ)母ちゃんは、あまりに間抜け過ぎる母上にKenが、(おバカな母ちゃんバ母ちゃん)と歌うように呼びかけているうちに、すっかり定着してしまった。

ある日の一コマ

「肩凝ったな。"てもみん"でも行って来ようかな」と母ちゃん。
「いいよ行かなくて。"Kもみん"がいるじゃないか」と嬉しいお言葉。
(おお!息子よ。役に立つわい)と内心喜んだ母ちゃんは、「じゃあ、悪いけど頼もうかな」と、一応しおらしくも、早速お願いする。

極楽!極楽!と思ったのも束の間、何か硫黄のような強烈な臭いが・・・。ウッ!と思って、肩を浮かしかけると、
「どうしたの?」と、肩を揉んでくれているKenが後ろから言う。
「何か変な臭いが・・」、と母ちゃん。
「俺は大丈夫だよ」、とKen。
エッと思って振り向けば、何とKenは、両方の鼻の穴にティッシュを詰めているではないか。
(そりゃ、大丈夫だろうよ)と、"俺は"の意味を、深く理解した母ちゃんであった。

だが、更なる腐った卵臭攻撃に、「ウォー!」と悲鳴をあげて飛び跳ねようとしたが時遅く、母ちゃんはKenにガッシと肩を掴まれてしまった。何とか新鮮な空気をと、窓の方へそっと足を伸ばそうとするも、それも素早く察知したKenに阻まれてしまった。

(頼むんじゃなかった)と後悔も露わに、口で息しながら、思いっきりジタバタ手足を動かす。抵抗すること数分、辛うじて鼻で息できるところまで逃れられた。僅かとはいえ揉んでもらったおかげか、必死の全身運動が功を奏したのかは判別しかねるが、肩周辺の血行も良くなった。

有り難いんだか、迷惑なんだか、こうして戦い済んで日が暮れた。年の差も体力の差も果敢に飛び超えて、臭い攻撃にはいつだって真剣に立ち向かう。

時にはこちらからも、鼻も曲がらんばかりの渾身の逆襲を試みる。不意打ちを喰らって悶絶するKen。
(母ちゃんにだって、年長者のプライドというものがあるのだよKen。フッフッフッ)

しかし、いい歳して何でこんなことにムキになるのか。(もしかして私は、真性(バ)母ちゃん?)と、今さらながら気づいたのであった。