照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

人の話にホントかなと思ったらー自分で納得いくまで考えてみる

先日美容院へ行った折、ウォーキングの話になったのだが、私が、平均すると毎日2時間ほど歩いていると知るや、歩きすぎもよくないらしいとお客さんの例を教えてくれた。

犬の散歩で朝晩2、3時間ほど歩いているうちにすっかり膝を痛め、近くとはいえ今では、美容院に来るのさえ車での送り迎えが必要になってしまったという。犬種にもよるだろうが、犬の散歩でそれほど運動量が多いとも思えず、もう少し詳しく聞いてみた。

すると、その方は犬の散歩から帰るたび、お腹が空いたと間食をしていたそうで、横幅もかなりあるという。それで納得。要は、歩きすぎというより、体重過多で膝に負担がかかりすぎた結果だと思う。人が歩く時膝にかかる負担は、体重の約3倍だそうだ。

犬の散歩で、さっさと早歩きしている人を見かけるのはごく稀だ。大半は、犬の速度に合わせのんびりと歩いている。1時間のウォーキングで、消費カロリーは160gくらいだ。もし、トロトロ歩きなら、もっと少ないだろう。

ちなみこれは、コンビニのおにぎり1個分に相当する。散歩で外にいる時間の長さイコール運動量と勘違いして、消費した以上のカロリーを摂取していたのでは、かえって身体には害にしかならない。

(歩きすぎは膝に害説)に頷かない私に、更に別の例を出してくれた。長年、茶道をやっている人が、立ったり座ったりで膝を使いすぎ痛めてしまったという。これなども、体重過多かどうかまでは聞かなかったが、単に足腰の筋肉が弱っために起きたことではないかと思う。

いずれも、どうしてそうなったのか原因を根本まで追求することなく、短絡的に現象だけを取り出し、人に伝えてしまうのだろうかと思う。こうして、又聞きの伝言ゲームが広がってゆくのかな。

聞いた方も深く考えず、そういうものかと思い込み、誤った情報は次々に本当らしくなってゆく。その挙句、現在はむしろ動かなすぎの人が多いにも関わらず、自分に都合よく解釈して、更に運動しない人が増えるのではないかとさえ危惧する。

人間は歳を取るにつれ、ややもすると、自分を甘やかしたくなりがちだ。殊に運動となると面倒くさいものだから、つい自分を過剰に労ってしまう。私は散歩に加え、毎日、膝痛予防に膝の屈伸、足腰を鍛えるためにスクワットもやっているが、時には、今日はいいかと思うこともしばしばだ。でも、未来の自分のためと、気を取り直してどうにか続けている。

ところで私程度の散歩でも、「歩きすぎは膝に悪い」となるかどうかの答えは、数年後の検証待ちだ。