照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

カリーナちゃんと犬のナイダ

先日の、北海道で行方不明になっていた小学2年生が発見されたというニュースは、本当に嬉しかった。その日の夕方ラジオを聞いていると、子どもが山で迷い、翌日から数日後に発見されたという幾つかの事例が紹介されていた。

ロシア・シベリア(Siberia)のサハ共和国で、一人で森に入ったきり11日間にわたり行方不明となっていた4歳の女児カリーナ・チキトワちゃんが、無事保護されたという話にはとりわけびっくりした。さっそく調べてみると、2年前のことであった。

4歳といっても5歳に近いのかと思えば、4歳の誕生日少し前というから、正確には3歳だ。また、子犬に守られてとあったので、ぬいぐるみ位の大きさを想像したが、写真を見ると結構大きかった。それにしても、夜間は氷点下にまで気温が下がるシベリアの森で、Tシャツとレギンスだけのカリーナちゃんを温め、近づくクマやオオカミを追い払ったりした(であろう)この犬の知恵と勇気には感心するばかりだ。

  "サハ共和国の小さな村で暮らすカリーナちゃんは、隣接する人口わずか8人の集落に住む父親と過ごすために、7月29日に犬を連れて自宅を出た。

 しかし、当時父親は近くの野火に対処するため、家を留守にしていた。カリーナちゃんは父親を探すために森に入ったとみられている。

 一帯は先住民のヤクート人が狩りやトナカイの放牧などをしながら暮らしている地域で、携帯電話の電波もなく、母親がカリーナちゃんが森に入ったことに気づいたときにはすでに4日が経過していた。

 大規模な捜索が行われたものの、手がかりがやっと得られたのは、カリーナちゃんの連れていた子犬がふらつきながら集落に帰ってきたときだった。救助隊は犬を使って子犬の道のりをたどり、カリーナちゃんの元へと急いだ。

 同テレビ局によると、現場にはクマが多数生息していることから、特殊部隊が到着するまでは小川や草地しか捜索活動ができなかったという。

 救助隊は活動開始から2日後にカリーナちゃんの足跡を発見。村から北に6キロの場所で、生い茂った草陰で横になり、身を震わせるカリーナちゃんを見つけるに至った。・・・森でベリーを食べ、川の水を飲んで生き延びたと話している。"(AFPBB News・2014年・8/14付け記事より)

"子犬を連れた幼い子が、森の中で、ベリーを摘み、川の水を飲む"ということだけを取り出せば、『3びきのくま』や『赤ずきんちゃん』か何かのお話のようで楽しげだが、特殊部隊が到着するまでは森に分け入ることもできないほどクマが生息する地域と聞けば、やはりぞっとする。

父親と一緒にいるとばかり思っていた母親も、行方不明と気づいた時はどれほど驚いただろう。本当によくぞ生きていてくれたと、非常に遅ればせながら、またまったく無関係ではあるが、カリーナちゃんと犬のナイダに賞賛を送りたい。