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照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ようこそ赤ちゃん

子ども

赤ちゃんって、どうしてこうも見飽きないのだろう。ただ眠っているだけなのに、時々口を動かしたり、顔をゆがめてみたり、まるで100面相のようなその表情のひとつひとつが可愛らしい。

自分のことが話題になると、まるで承知していると言わんばかりに少しだけ目を開けて、合図を送ってくる。するとすかさず、「パパですよ」と、新米パパの長男が声をかける。

新米ママによると、お腹の中にいた時からパパが絵本の読み聞かせをしていたせいか、パパの声に反応するという。声紋分析の専門家である方の本を丁度読んだばかりだったので、それに納得する。赤ちゃんはお腹の中で、しっかり外の声を聞いているそうだ。

私も自分の名前を告げてから、「初めまして」とあいさつする。長男から生まれたとの知らせを受けた時、名前で呼んでもらうことに決めた。孫とばあちゃんというよりは、世の中にデビューしたばかりの人と自分という、新たな関係を築きたい。

小さな人が、私のことを名前で呼ぶなんて、小さなお友達ができたみたいで、思っただけで素敵だ。よろしくねと、小さなお友達の足の裏をちょっとだけ触ってみる。するとくすぐったいのか、足を引っ込める。

お腹の中で、キックの練習を重ねたせいか、ずいぶんしっかりした足だ。パパはもう、(サッカーやらせたいな)なんて、ワクワクしている。小さく結んだ手に、未来がいっぱいつまっている。子どもは、まったく希望そのものだ。

新米パパのとろけそうな笑顔に、彼が誕生した日が重なる。身体中から湧きあがる感動を与えてくれた子が、今目の前で、同様に、生まれた瞬間の感動を静かに語る。その思いが繰り返されてゆくことが、まったく感慨深い。

その途端泣き声をあげて、赤ちゃんが答えてくれる。新米パパは、優しくそっと抱く。泣き声だって愛らしい。言葉が出てくるまでは、一番大切なコミニュケーションだ。さぞかし腹筋も鍛えられるだろうとその声に耳を傾けながら、ようこそ赤ちゃんよろしくねと、私は小さなお友だちにまたあいさつする。