照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

カラスが虫をついばむ光景に意外な新鮮さを覚えた朝

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豪徳寺参道松並木

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 散歩途中に、カラスが5、6羽、松の木の根元あたりで虫をついばんでいるのが目に留まった。うっすらと緑色になっている地面に嘴をいれたり、杭になった木の内側を突っついたりしている。もっと小さな鳥たちの、そのような光景はしばしば目にするが、カラスでは初めてだったので、かなり意外な気がした。

両足でチョンチョンと跳ねるように歩いたり、ヨチヨチと交互に足を出して歩いたりと、見ていると面白い。時にはスッと飛び立って、しばらく塀の上にとまっているが、また地面に下りてくる。

下りるついでに、別のカラスのごく側まで近づいて、威嚇されるカラスもいる。ちょうど、動物のこどもたちがじゃれあっている感じで、虫を探す合間にも、思いついたように2度3度と繰り返す。近づかれた方は煩いと思うのか、そのたびに迷惑気な様子で追い払っている。

ゴミを突っつく困ったイメージが強いカラスのこのような一面に、やはりカラスも鳥だったと、当たり前のことを思う。だが、歩き回るハシブトガラスを観察していると、その容貌から、普通の鳥というよりも、どうしても閻魔様の元で仕えている姿が連想されてしまう。

竹箒を持って、閻魔様の庭など掃いているかもしれない。葉が落ちる季節には、とりわけ大忙しだろうな。(ほらほら、ふざけたりしてないで、早くやってしまいな)と、リーダーカラスにハッパかけられているかな。また別のカラスは、白いエプロンを着けて、お給仕係として勤しんでいるかも。

そんなことを考えながらカラスたちを眺めていると、『カラスのパン屋さん』とはまた違ったカラスの世界が浮かんできて、まったく楽しい心持ちになってくる。ちょっと嬉しいある朝の散歩でした。

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豪徳寺入り口(別の日に撮影)

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豪徳寺参道(別の日に撮影)