台風がマリモの危機を救う
"台風がマリモの危機を救う"というニュースに、被害だけをもたらしたのではなかったと、多少ホッとする思いだ。
記事によると、
"今夏、北海道に大きな被害をもたらした台風が、国の特別天然記念物の阿寒湖(釧路市)のマリモを絶滅の危機から救った。マリモの生育を妨げていた水草が大量に打ち上げられ、環境が一気に改善したためだ。"(朝日新聞デジタル10/11)
ということだ。
"強い南風が湖をかき回し、湖岸に約122トンもの水草を打ち上げた"というが、その凄まじいエネルギーに驚く。実際、その前後の写真を見比べると、マリモにとっての環境が全然違う。
台風がくる前の、マリモの上をびっしりと覆いつくしている水草の写真に、これでは、"枯死や崩壊が急速に進む"のも当然だろうと、素人の私から見ても一目瞭然だ。でも、その後の写真は、まったくスッキリしている。これで、"光合成に必要な回転や移動"も、可能になるだろうと安堵する。
しかし、今回はたまたま台風が水草を掃除してくれたが、もし水草を、人為的に駆除するとなると、相当大変だろうなと思われた。
それにしても、水草繁茂の原因が、
"温泉街の排水で富栄養化した阿寒湖は、下水道の整備で約20年前から徐々に水質が改善し、水草が浅瀬で分布を拡大した。"
というのだが、水質改善がまさかマリモの絶滅へ結びつくとは、自然界というのは人間の思惑などはるかに超えて、単純にはいかないものと改めて考えさせられる。